浦和レッズがクラブW杯で見せつけた“2つの品格”にFIFA会長や元ブラジル代表MFも脱帽
試合には全敗したが、品格では勝利した。アメリカで日本時間6月15日より開催中のFIFAクラブワールドカップ(同7月14日決勝)における、J1・浦和レッズの試合後の振る舞いに世界から称賛が集まっている。
32チームの各大陸王者がアメリカに集結し、“クラブ世界一”を決する同大会に日本から唯一の参加クラブとなった浦和。アルゼンチンの強豪リーベル・プレートや、欧州屈指の名門インテルなどがひしめくグループEで激闘を強いられ、初戦から1-3と大敗すると、インテルにも1-2、モンテレイには0-4で破れるなど、3戦全敗の勝ち点0という結果に終わった。
しかし、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長を始め、世界のメディアが着目したのは、敗北した試合後、浦和のサポーターがスタジアムのゴミを拾って清掃する姿だった。
インファンティーノ会長は自身の公式インスタグラムにレッズサポーターがスタンドでゴミ拾いをしている動画を掲載し、「浦和レッズサポーターによる模範的な品格と優雅な振る舞いに心から感謝したい。これは日本の文化を象徴する素晴らしい行動で、これまでにもFIFAの国際舞台でこうした光景は何度か見ることができた」と指摘。今回が初めてではなく、以前からおこなわれてきたとして、“日本人サポーターのゴミ拾い“を賞賛している。
そして、敗戦後の行動が讃えられたのはサポーターだけでなく、選手も同様だった。
「イタリアのスポーツ紙『Corriere dello Sport』を含む複数のイタリアメディアは、グループE・第二節でセリエA王者インテルを最後まで苦しめながら、最後は1-2で逆転負けを喫した浦和の選手たちの振る舞いを『信じられないことが起きた』と紹介しています。あと一歩のところで勝ち点を逃した浦和の選手が、試合後にゴール裏の浦和サポーターのスタンドに向かい、深々と頭を下げて謝罪したことが、『衝撃的』だったようです。また、インテルでプレイした経験を持ち、現地で同試合の解説を務めた元ブラジル代表MFエルナネス氏は『私は彼らのパフォーマンスに賛辞を送りたい。相手へのリスペクトや礼儀など、日本人の他者への考え方はいつも素晴らしいものだ』とのコメントを残しています」(スポーツライター)
敗戦後のサポーターによるゴミ拾いだけでなく、アメリカまで応援に駆け付けた、そのサポーターたちへの感謝の姿勢を示した浦和の選手。ピッチ上では結果を残せなかったが、その紳士的な行動によって世界を驚かせたと言えるだろう。
(木村慎吾)
