20年12月31日で嵐は21年の歴史にいったん終止符を打ち、活動休止に入った。再始動のメドは立っていないが、解散ではないとメンバーは強調する。
対して、わだかまりを残したまま解散したのはSMAP。4年前の同じく大みそかに袂を分かち、ジャニーズ事務所を退所した稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾は翌17年に「新しい地図」として再始動。中居正広は19年3月いっぱいで退所し、木村拓哉だけが残留している。
SMAPの解散は芸能史に残る衝撃だった。そんな悲哀に満ちた未来を予言していた呪文が、80年代後半に存在していた。ファミリーコンピューターとして86年にシリーズ第1弾が発売された「ドラゴンクエスト」だ。
「ドラクエは発売初期、セーブという機能がなく、『復活の呪文』という5・7・5・3の平仮名のパスワードを入れると、ゲーム途中から再開できるシステムでした。ランダムで構成されたパスワードであるはずが、まれに文章となってしまうことがありました。そのひとつが『なかいにい ながきかとりく さなぎどく りつえ』。驚くことに『中居に稲垣 香取 草なぎ 独立へ』となることが、ユーザーから報告されたのです」(週刊誌記者)
SMAPの前身グループにあたるスケートボーイズさえ誕生していなかった時代の呪文。俗にいう都市伝説の類であっても、不気味すぎる。さらに、SMAPと「ドラクエ」の奇縁は90年代、2000年代にも続く。
「92年に、『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…』と『ドラゴンクエスト4 導かれし者たち』をミックスしたオリジナルストーリーがミュージカル化されたのですが、主人公が6人組時代のSMAP。8月に京都四条南座で25日間に渡って40公演が行われたのですが、空席だらけの寂しい客入りでした」(アイドル誌ライター)
不遇時代を経て快進撃を遂げたSMAPは00年、「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」の発売時にイメージキャラクターに選出されて、テレビCMに出演。以降、04年の「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」、09年の「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」、12年の「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」まで起用されつづけた。
SMAPと「ドラクエ」。日本中から支持されたトップカルチャーは、80年代から強烈に結びついていたのだ。
(北村ともこ)