俳優の中尾彬が1月26日放送の「グッド!モーニング」(テレビ朝日系)に出演。新型コロナウイルスの新規感染者数を巡り、共演者の“気の緩み”を一喝する一幕があった。
東京都では1月8日より緊急事態宣言が発出された影響からか、2週間が経過した22日以降は徐々にコロナの新規感染者数が減少の傾向を見せ始め、25日には618人だと発表された。
番組では、久々に都内の新規感染者数が600人台に留まった点や、2月7日までを予定している緊急事態宣言の解除の基準や是非について放送。期限まで2週間を切った現在の状況に関して見解を求められた中尾は、「1日減ったからって、飯村君も新井も喜ぶなよ」と飯村真一アナウンサーと新井恵理那キャスターのリアクションに違和感を表明した。
この中尾からの“喝”を受け、新井は「喜んじゃいました」と反省。続けて、中尾は「もっと恐ろしい病気なんだよ。1日減ったからって喜ぶもんじゃない」「計算で出る病気じゃないよ。命取られるんだから」と指摘し、感染者の減少を喜ぶことができるのは「0になって初めて言えること」だと訴えている。
「つい半年ほど前であれば、東京都の新規感染者数が300~400人に達するだけでも都民は危機感を募らせていましたが、現在では618人という数字が比較的少なく感じられるような状況になってしまっています。重症化しやすい高齢者の部類に入る78歳の中尾と、31歳の新井の意識の差が潜在的に存在するのかもしれませんが、ネット上では今回の中尾の一喝に対し、『まさに気の緩み。世間話で“良かった”と言うのと、発信する側がそれを言うのとでは、意味が違う』『中尾さんの言う通り。0人は無理でも0人を目指すことで皆が気を付けて行動すると思います』『ワイドショーとかでもすごく減ったようなコメントをするから勘違いしてしまう人が出てくる。テレビ局もここら辺のコメントは注意してもらわないと』などと同調する声が寄せられました。ただ一方で、『感染者減るのを喜んじゃいけないの?』『インフルエンザですら0は不可能では?』といった反発の声も上がっています」(情報誌ライター)
賛否集まった中尾による“公開説教”だったが、実際、26日には再び都内での感染者数が1000人を超え、27、28日も1000人前後に高止まっている。まだまだ先の長いコロナ禍ではあるが、報道番組においては一定の緊張感を持ち続けるべきだという中尾の主張は、とりわけ高齢者の心には響くものだっただろう。
(木村慎吾)