連日、政府の緊急事態宣言を中心に「コロナと政治」をメインとして取り上げているワイドショーが「ひるおび!」。
2月2日の放送では、銀座でのクラブ会食について度重なる虚偽報告が明るみになった自民党の“マツジュン”こと松本純議員の離党勧告について議論。発覚した当初は、イタリア料理もその後のクラブも「一人で行った」と話した松本議員だったけれど、実は後輩議員2人とその知り合い女性2人を交えての会食だったことが報じられて、党にも虚偽報告をしていたことから怒りを買って離党勧告を受けてしまったという話題。松本議員が会食の理由として「(お店や女性たちから)要望や陳情を聞いていた」と言い訳してしまったものだから、SNS上は「うちも陳情したいのですが」「国民の要望があればどこでも来てくるんですよね」など総口撃。もう逃げ場もない状態だとか。
そんな中、石原伸晃議員の特権入院など、視聴者が「もっと掘り下げて!」と感じる話題をいつもさらっと受け流してきた“ひるおびイズム”がまた出てしまったとのだとか。
「同じく銀座のクラブ通いで、公明党の遠山清彦議員は議員辞職するに至りました。実は遠山議員は公明党のホープで将来をかなり期待されていたと番組内でも紹介されており、それでも辞職に追い込まれるという公明党のイメージを大事にする考え方には『潔しの印象を与える』と政治コメンテーターも発言していました。一方で、自民党の3議員は離党勧告。出演していた政治ジャーナリスト・田崎史郎氏によれば、この離党勧告は自民党内部では『除名』に次いで2番目に重い処分なんだそうです。自民党では辞職勧告はできないというのが田中角栄時代からの党の決まりと田崎氏は言ってました。ですから、離党勧告はかなり重いと。でも、そんな党の勝手なルールは国民には関係ありませんよね。離党しても議員として毎月百数十万円の歳費は懐に入るわけですから、視聴者が公明党と比較して『甘すぎる』と憤るのも当然です」(週刊誌ライター)
この比較に関して、番組ではMCの恵俊彰が「どうしてこんなに違うのか」と田崎氏に振った。すると田崎氏は「公明党のイメージは純白」と説明、そして「自民党はどちらかといえばグレー」と自嘲気味に発言。染みがついたらどちらが目立つかといえば「白いほうが目立つ」と、公明党の汚点はイメージダウンに大きく繋がるから辞職まで追い込まれるたことを強調。しかし、ここで恵やそのほかのコメンテーターの間で起こったのは軽い笑い。グレーな自民党を糾弾する展開にはならなかった。
「締めのジョークと言えばそれまでですが、石原議員のコネ入院もそうでしたが、MCの恵さんがもっと突っ込んで国民の怒りを晴らしてほしいという気持ちが視聴者には強いようですね。悪気がある感じではないのですが、何かに忖度している雰囲気がいつもあります。今回も自民党はグレーだから少しの染みなどでジタバタしない、と田崎氏が喩え話をした。せっかく自民党べったりの政治コメンテーターが突っ込みどころを示してくれたんですから、視聴者から『グレーだからしょうがないって結論じゃダメでしょ!』『笑って終われる問題じゃない』と憮然とした声が聞かれるのもうなずけます」(前出・週刊誌ライター)
芸能スキャンダルを取り上げず、国民に寄り添った話題で主婦などを中心にお昼の視聴率でトップを走っている「ひるおび!」。だからこそ、ここぞというときには追及してほしいと思いがちだけれど、こうした“深く突っ込まない”スタンスが敵を作らない戦法なのかも?
(山田ここ)