1月3日、4日に放送された木村拓哉の主演ドラマ「教場II」(フジテレビ系)。木村にしては珍しく、番宣のために多くの番組にゲスト出演した。なんとしても高視聴率を獲得したいという気持ちの表れといえるが、なぜ彼はそこまでしたのだろうか。
フジテレビ開局60周年記念特別企画ドラマとして制作された「教場」は、20年のギャラクシー賞・テレビ部門1月度月間賞を受賞。同年10月に発表された「東京ドラマアウォード 2020」では単発ドラマ部門でグランプリを獲得した。
木村はこの高評価を喜んだ。伝えたい“戦友”がいたからだ。
「その相手とは作品をプロデュースした元フジテレビの西坂瑞城さんです。20年4月、心不全のために43歳の若さでこの世を去りました。数々のドラマ制作に関わった有名プロデューサーでしたが、最期の作品が『教場』となったのです」(テレビ誌ライター)
西坂氏は、およそ20年もの長きにわたってフジの社員プロデューサーだった。福山雅治主演の「ガリレオ」第2シーズン(13年)、堺雅人と新垣結衣の共演で話題になった「リーガル・ハイ」(12年)、上戸彩や斎藤工の出世作となった「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(14年)など、手掛けた連ドラは軒並み大ヒット。存命であれば、間違いなく「教場II」も手掛けていただろう。
「『ドラマアウォード』の授賞式に行って、トロフィーを受け取ったのはプロデューサーの渡辺恒也さん。そのトロフィーを収録現場で中江功監督、キムタクなどと『持たせてー。けっこう重いんだね』と言いながら、祝ったそうです。そのとき『これ(受賞)は全部あいつ(西坂氏)に捧げる』という共通意識が芽生えたようです。だからこそキムタクも普段はあまりしない番宣にも積極的に加わったのでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
コロナ禍に、戦友といえる辣腕プロデューサーと永遠の別れがあった木村拓哉。「教場II」の評価もきっと泉下に届いたことだろう。
(北村ともこ)