俳優の窪塚洋介が2月14日放送の「ボクらの時代」(フジテレビ系)に出演し、2000年に出演していたTBSドラマ「池袋ウエストゲートパーク」(以下、IWGP)撮影時の裏話を明かしている。
同じく俳優の中村倫也、そして「IWGP」でチーフ演出を担当していた映画監督の堤幸彦氏と共にゲスト出演した窪塚。同作では、池袋を拠点とするカラーギャング集団のボス役タカシ(通称・キング)を演じていたが、その役柄は独特のオーラと残虐性を併せ持つ不思議なキャラクターで、物語のキーパーソンとしての役割も担うこととなった。
この難しい役どころについて堤氏は「僕が『ポーカーフェイスで、ときどきキレキャラだけど、能面のような感じ(で演じて)』って言ったら、(窪塚からは)『いや、それも分かるんすけど、好きなようにやらせてもらっていいっすか?』みたいな」と、“尖っていた”という窪塚とのやり取りを振り返った。
これに窪塚は「そんな言い方じゃないでしょ」と指摘したが、言葉の内容については否定せず。2000年の窪塚といえば、まだ俳優としては駆け出しで年齢も21歳前後ということもあり、中村が「それで、『好きなように(やらせて)』って言えるのがすごい」と驚くと、堤氏も「なかなか言えないよね」と同調。窪塚は「今よりたしかに調子には乗ってたかな」と笑いながら認めている。
「まだ俳優としてのキャリアが浅い段階でありながら、堤氏に対して自分の思う役柄へのイメージを崩すことのなかった窪塚。本人も“調子に乗ってた”と当時の生意気ぶりを認めていますが、その窪塚が脳内に思い描き、実際に画面上で体現したタカシ役は主演のTOKIO・長瀬智也を食うほどの存在感を見せつけ、同ドラマを象徴する重要なピースとなりました。ネットでも当時の窪塚が演じた役柄に対する『やりたいようにやってあのキャラを作り上げた窪塚はやはり才能が飛び抜けてたのかな』『その“好きなように”がイイ味出してたよな~』『タカシは今までにないカッコ良さだった。彼だけでスピンオフできるくらいの引きがあった』『当時の学校の不良も感化されて、窪塚さんの喋り方真似してるのもいたし』などといった賞賛が殺到。カリスマ性に溢れた役柄が窪塚のアドリブ混じりで表現されていたことへの驚きの反応も多く寄せられています」(テレビ誌ライター)
同作出演後には、映画「GO」や「ピンポン」といった話題作に立て続けに出演し、一気にその人気を不動のものにした窪塚。若手時代に尖ることができた彼の肝も据わっているが、その窪塚にある程度の自由を与えた堤氏の器のデカさもまた名作が誕生した理由の一つといえるかもしれない。
(木村慎吾)