やはり“粛清”なのか? そんな声がネットからも聞こえてくる──。
吉本興業が3月9日、公式サイトにてお笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次とのエージェント契約を、3月末をもって終了することを発表。加藤は翌10日、レギュラーである「スッキリ」に生出演し、エージェント契約終了について自らの口で説明した。
吉本興業の公式サイトには「タレント加藤浩次は当社とエージェント契約を締結したうえで芸能活動を行っておりましたが、双方の協議の結果、同契約の期間満了により2021 年3 月31 日(水)をもってエージェント契約を終了することになりました」と記載。
もともとエージェント契約は2019年夏に起きた芸人たちの“闇営業”問題に対する吉本の対応を加藤が批判したことが発端。当時、加藤は『今の社長、会長体制が続くのなら俺は吉本興業を辞める』と明言し“加藤の乱”とも呼ばれる事態に。最終的に本人が発案したエージェント契約を吉本と締結することで“残留”となった経緯がある。
加藤は契約終了の発表を受けて、番組内で「僕自身はね、2年くらい前に、ああいう騒動があって、僕もああいう発言したんで、吉本興業とエージェント契約を続けようと思ってたんですよ」と、加藤側としては契約終了の意思がなかったことを明言。その上で、「3月が更新の時期だったんで、吉本興業さんの方から『契約延長しない』というふうに言われてね。契約書に双方が延長しないってことは言えるってなってたから契約違反でも何でもなくて。そう言われた」と明かした。続けて、仲間がいるから吉本に残りたかったという気持ちも吐露しつつ、「ちょっと僕もビックリしてるというか」と語り、予想外の出来事だったことを伺わせた。
ネットでは《これが加藤の乱に対する吉本興業の報復か》《加藤さんにとっては残念ながら、これが吉本興業の加藤さんへの答えなのでしょう》《吉本は加藤のエージェント契約の提案に乗って、問題の幕引きに使っただけやな。もともと延長する気はなかった。満了までは我慢。そんな感じやな》など吉本の“粛清”と受け取る声が大半。
「今年2月、加藤のレギュラー番組が3月に2本終了することが判明したタイミングで吉本の“粛清”報道が出ました。加藤は2月25日に出演したラジオ『アッパレやってまーす!』(MBS)でその事について発言。『俺、粛清されんのかな?』『法治国家で粛清なんてあっていいのかい?』と笑い飛ばしていましたが、結果的にその通りになった形。吉本は契約を更新しなかった理由を明言していませんが、だからこそ2年前のことが遺恨になっているのではないかと憶測を呼んでいます。今回の件で鮮明になったのは、事務所とタレントの関係が対等になると思われたエージェント契約でも吉本に反抗的な行動を取ったタレントは吉本側から“切れる”ということ。加藤は契約を通してクリーンで対等な関係を目指した結果、逆に吉本に合法的な“粛清”カードを与えてしまったと言えるのではないでしょうか。今後、エージェント契約している芸人たちはマネジメント契約に戻す、あるいは吉本を去ることになるかもしれません」(芸能記者)
吉本とエージェント契約を締結しているのは、ほかに芸人のたむらけんじ、友近などまだ多数いる。彼らの事務所への“忠誠心”次第で吉本はいつでも“契約終了”にすることができるのだ。ひと昔前は吉本の企業体質をイジって笑いを取っていた芸人も多かったが、今後はイジることすらタブーになるかもしれない。
(柏原廉)