今や男性も育児をする“イクメン”の時代。女性主導の恋愛や結婚が流行中と思いきや、まだまだ古くからの固定観念に縛られて、女性たちは恋愛を楽しめずにいるようです。実はこれ、女性自身の心の中に「ジェンダーは嫌だけれどジェンダーから逃れられない」という渦があるから、やっかいな問題なのです。
例えば、こんな悩みを持つ女性がいます。「実は彼より収入が多い。バレたら彼に悪い気がして内緒にしています」「彼と結婚したら仕事を続けてはいけない気がしています」「本意じゃないけど、結婚したら家事も育児も私が1人で頑張らないと……」などです。
ここで一番の問題点は、多くの女性が本当はのびのび自由になりたいと思っているということ。だけど、ジェンダーに縛られて、そうできずにいるのです。その大きな理由は、生まれてすぐから続いてきたジェンダー教育です。今の20~30代という若い世代でも、「女性らしさ」という教育をされている人は少なくありません。
というのも、まずは生まれてすぐに、男の子は青い服、女の子は赤い服を着させられることがあります。少し大きくなってからは、女の子はお人形さんで遊び、優しさを身につけて欲しいと育てられることも。一方、男の子はミニカーなどで遊び、たくましく生き抜く子にと育てられることが多々あります。
もちろん、男性と女性は違う生き物ですから、違うように育てられるのは構いません。でも、それが行き過ぎて大人になってしまうために、ジェンダーで苦しむことになるのです。また、穏やかでのんびりした親よりも、厳しくて感情的な両親から育てられた場合のほうが、今の自分のよさを認められない大人に育ちがち。結果として、ジェンダーに苦しんでいるケースが多く見られます。
ジェンダーで苦しんでいる女性の場合、「恋人には本当の気持ちを伝えられない」と、自分を認められずに苦しんでいます。その苦しい気持ちから抜け出すのはなかなか大変ですが、決して抜け出せないわけではありません。
苦しむ女性たちにまずやって欲しいのは、「もうこんな自分は嫌」と思っている過去や今の自分を「俯瞰して見る」こと。どうすればそれができるかというと、自分をドラマの主人公のような感覚でとらえてみるのです。そのドラマを、もう1人の自分が空の上から見ている……そんな自分を想像してみてください。別の言い方をすると、「自分と一歩距離をとる」感覚で自分の言動を見る、ということです。
これができるようになると、自分を解放できるようになります。自分を許せるようになります。自由に生きてもいいのだという気持ちになれます。もちろん、ジェンダーから自由になり、恋愛も結婚生活も心から楽しめるように変わっていけるでしょう。俯瞰して見るという方法、ぜひ試してみてくださいね。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)