誰でもなんとなくは感じている“恋愛”と“好意”の違い。「このあいだまではただの友だちだったのに、ふとした瞬間にドキッとしてしまって……」と、なんとなく友情から恋愛へと移行していく女性も多いのではないでしょうか?
では、心理学的にみて恋愛と好意の違いとは何なのでしょうか。好意が高まった状態が恋愛なのでしょうか? それとも、好意と恋愛感情とはそもそも違うものなのでしょうか? 心理学者E.バーシャイドらによれば、好意と恋愛感情は次の3点が違うようです。
■空想と現実のどちらに結び付くか
恋愛では、空想することが大事な役割といえます。好意では、もっと現実的な部分で相手をよく思うことといえます。
恋愛においては相手を遠目に見ているだけで「あの人ともしもデートをしたら……」「あの人がもしも私を好きと言ってくれたら……」と、空想しながら気持ちがふくらんでいきます。ですが、好意は相手がしてくれたことに基づきます。例えば、LINEをしてくれたとか、読みたかった本を貸してくれたとか、そういう現実的に利益を与えてくれた場合に気持ちが動くのが好意なのです。
■愛と憎しみの両立ができるかどうか
恋愛の場合には相手を思う気持ちがあっても、憎しみという感情が湧くこともあります。“可愛さあまって憎さ100倍”という言葉通りなのです。
好意の場合にはそうではありません。好きなら好き、嫌いなら嫌い。相手へのプラスの感情と、ネガティブな感情が同居することはないのです。恋愛のほうが相手への気持ちが濃厚な分、期待通りの対応をしてもらえないときに、憎しみという気持ちが生まれるのかもしれませんね。
■時間が経つにつれて弱くなるか強くなるか
恋愛は時間が経つと弱まる可能性が否めませんが、好意は違います。最初はいい人だと思っていた感情が、日に日に「とてもいい人だわ」と変化していくことが多いのです。
恋愛には終わりがきますが、友情は終わらない可能性が高いですよね。好意には、恋愛のようなドキドキ感がありません。心が安定した状態のため、相手への気持ちがワッと高まったり、逆に、急にゼロに近くなったりするなどの極端な変化はないともいえるのです。
以上が、心理学者E.バーシャイドらの意見に基づいた恋愛と好意の違いです。例えば、あなたが「あれ、私、本当に彼のことを好きなのかしら。それともただ友だちと思っているだけなのかしら……」などと思ったときには、ぜひ参考にしてみてくださいね。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)