イタリアの高級ブランド「ヴァレンティノ」が3月31日に日本版公式ツイッターアカウントを更新。モデルのKoki,を起用したキャンペーンムービーを取り下げ、物議を醸した演出について謝罪した。
問題視されたのは、2021年春夏コレクション「ヴァレンティノ コレツィオーネ ミラノ」のPR動画における、着物を使った演出だった。その中で、ヒールを履いたKoki,が地面に敷かれた着物の帯の上を歩き、腰かける様子などが収められていたことから、日本文化への冒涜だとして大炎上。批判を受け、ヴァレンティノ側が釈明に追われる事態となった。
ヴァレンティノ・ジャパンはツイッター上で「“ヴァレンティノ コレツィオーネ ミラノ”に関連して撮影されたビジュアルについて、多くのご意見をいただいております」と切り出し、「モデルが着物の帯を思わせる布の上に座る、または歩く、靴を履いて家の中にいるシーンが登場します」「これらのビジュアルは日本の文化に敬意を込めて作成されたもので、日本の文化を冒涜するような意図は全くなく、このシーンで使われた布も、着物の帯ではありませんが、多くの方に不快な思いをさせてしまったこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪。
また、「当該コンテンツに関しましてはただちに削除いたしました」とも報告し、「今回の件をブランド及びコミュニティに対する教訓とし、メゾンヴァレンティノはグローバルな規模での文化の包括性をさらに推し進めていく所存です」と綴った。
「動画では、ほかにもKoki,が土足のまま日本家屋の中に入るシーンもあり、こうした一連の演出から“日本文化への敬意”を感じ取ることは困難だとして、『謝罪に無理がありすぎる』『下手な言い訳せずに素直に謝罪したらどうですか?』『土足で畳に上がるだけでも侮辱』との怒りの声が噴出。また、地面に敷かれたものについても、実際には“着物の帯”ではなく“着物の帯を思わせる布”だとした釈明についても、世間からは『じゃあこの織物は一体何なんだよ!』『どう見ても帯なのに、帯じゃないと言い放つのね。見苦しい』『帯じゃなく、反物だったらOKなの?』『納得できません』などといった厳しい反応が飛び交い、“着物の帯にしか見えない”との指摘が大半となっています。また、今回のキャンペーンムービーにおいてフォトグラファーを務めたフィッシュ・チャン氏は、自身のインスタグラム上で、同ムービーが寺山修司監督の映画『草迷宮』にインスピレーションを受けたと説明(現在は削除済み)。作中では実際に登場人物が帯の上を歩くシーンがあることから、“帯ではない”との釈明に納得する人は少なかったようですね」(テレビ誌ライター)
Koki,からすれば、とんだ炎上劇に巻き込まれてしまった格好だ。
(木村慎吾)