お笑いコンビ・EXITの兼近大樹が5月6日放送の「変わる報道番組 #アベプラ」(ABEMA)に出演し、かつての吉本興業の重鎮・島田紳助氏について言及するシーンがあった。
番組では、昨今の若者の間で蔓延する動画の倍速視聴や書籍の飛ばし読みなどの風潮について議論。兼近は、作家としての一面を持つ先輩芸人のピース・又吉直樹に憧れて芸能界入りしたと明かすほどの本好きで、小説の飛ばし読みについては反対の立場を取った。
「漫才は間があるから次につながっている。映画でも小説でもそう。心理描写と風景描写を想像しながら見たり読んだりするから、『だからこの主人公ってあそこでこうしたんだ』とか楽しめる」とし、行間を楽しむことによってストーリーの解釈をさらに深めることができると力説。時間短縮で飛ばし読みするよりも、むしろ「1時間で読める作品なら10時間かけて読めって思います」と主張している。しかし、知識を取り入れるためだけの作業であれば、飛ばし読みもアリだと一部肯定。「僕、皆が見ているものを見てないんです。皆の見てないようなものをめちゃくちゃ見てたりするから、知識の偏りがエグいんです。でも、テレビに出る人にとってそれは損で、俺ついていけないですもん。テレビで愛想笑いしかしてない」とし、自身について博学タイプではなく、特定の分野に特化した知識を持つタイプだと分析した。
すると共演者が、元お笑い芸人で2011年に吉本を退所した島田紳助氏の格言だという「広く全部を見ておく必要はなくて、みんなが知らなそうなやつだけ1個すごく詳しいと“物知り”って思ってもらえる」との言葉があったと紹介。知識の偏りを逆手に取り、むしろ博学だと思われるようにするテクニックだが、兼近はこの“大先輩”の格言について「ダメです。その人、消えた芸人じゃないすか」と一蹴したのだ。
「現在の島田氏は一般人の身ではあるものの、吉本興業の大崎洋会長とは定期的にゴルフを楽しむ仲であり、同期のオール巨人からM-1グランプリの審査員代役を直々に要請されるなど、その影響力は絶大です。2011年の引退発表時にも6本のMC番組を抱え、人気絶頂期での幕引きは多くの芸人に衝撃を与えました。そんな島田氏を『消えた芸人』呼ばわりした兼近ですが、ネット上ではこの大胆発言に『兼近よく言った!』『良いね!そうでないとダメだ』『今の若いタレントにとっては消えた芸人としか思われてない。あと数年したら紳助忖度もだいぶ減るであろう。というか減ってほしい』『すっきりしました』などと絶賛する声が続出。最近では、モデルのマリエがかつて島田氏から枕営業を求められたと告発するなど、真偽不明でありながら、ネガティブな情報が飛び交っていることもあり、世間の抱く島田氏へのイメージは悪化してしまっているようです」(テレビ誌ライター)
従来の芸人コメンテーターにはない切り口と発想で攻めた発言をすることでも好評の兼近。とりわけ、今回の島田氏に関する発言は、視聴者の気持ちに大きく響いたようだ。
(木村慎吾)