歌手のMISIAが8月20日に「MISIA OFFICIAL SITE」を更新。8月22日に参加予定だった野外音楽イベント「FUJI ROCK FESTIVAL’21」の参加者に向けて、新型コロナウイルスの感染対策徹底を呼びかけた。
コロナ禍において、2年ぶりに新潟県湯沢町で開催されたフジロックには感染拡大をもたらすリスクが高いとして、地元住民を始め、日本中から開催に対する否定的な声が飛び交っていた。
そうした状況のなか、出演アーティストとして同イベントに参加するMISIAは「長い文章になりますが、特にFUJI ROCK FES.に参加なさる方は、どうか最後まで読んでいただけますように…」と書き出し、20年以上にわたってアーティストとファン、さらには地元住民から大切にされてきたフジロックに参加する上での注意を長文で綴った。
「参加する観客の皆様」に向け、「配布された抗原検査を検査方法を守り、しっかりとやってください。また、FUJI ROCKが出している感染防止対策ガイドラインをしっかりと読み、徹底をお願いします」と要請。厳しい世論の声が並ぶ中での開催となったが、「これまで以上に、私たちが、このFES.に込める想いは強いはずです。たくさんのお願いをしてしまい、このような言葉が疎ましく感じたり、感染対策が嫌になってしまいそうな時もあるかと思います。しかし、FUJI ROCKを守っていくとは、どういうことなのか、with コロナの時代を生きるとは、どういうことなのか、私たち一人一人が、しっかりと考え、行動していくことが必要だと思うのです」と同イベントを守るためにもそれぞれが感染対策を徹底しなければならないと主張した。
また、MISIA自身もPCR検査の結果が陰性だったことを明かした上で、「東京を出る前に抗原検査も済ませもう一度確認してから行く予定です」と説明。観客が守るべき具体的な感染防止対策ガイドラインとしては、「大きくは8つ」とし、マスクの常時着用や検温の実施、こまめな消毒、大声での歓声や会話の禁止、ダイブなどの接触行為の禁止、ソーシャルディスタンスの確保や飲酒・喫煙の禁止を列挙。「もし、これらが守られていない状況があるとしたら、私たちミュージシャンは、出演を考え直す必要も出てきてしまいます」とも警告し、「みんなで、このFUJI ROCKを成功させましょう!」と締めていた。
「MISIAはほかにも雨で濡れた場合の予備のマスクの必要性や体温計の持参を呼びかけるなど、感染対策への意識の高さを見せましたが、やはり世間からの風当たりは強く、『そこまで言うならそもそも出演するなよ』とのツッコミが続出。MISIAとしては同イベントを安全かつ無事に終えることで、経済の活性化とコロナ感染の防止を両立させる“with コロナ”の模範としたかったのでしょうが、日本全国で爆発的に感染が拡大している現状があることから、ネットでは『だったらイベントに出るなよ』『え? 出るの? なんかガッカリ』『対策はね、行かないこと。オンラインでやること』『だったらイベント中止を主張して、出なきゃいいのに。なんか偽善的』『新潟県民からひと言。新規感染者が増え、県内医療が逼迫しています。少しでも医療逼迫を緩和するために他都道府県からの不要不急の訪問はやめてほしかったです』といった反発が並んでいます。
また、SNSでは、会場に集まった観客の密集ぶりを伝える画像や動画も出回っており、ソーシャルディスタンスの確保が徹底されていないとして、やはり同イベントの開催を疑問視するツイートが続出。今後も非難が集中するのは必至でしょう」(テレビ誌ライター)
“with コロナ”のライフスタイルを実現し、イベントを守るために感染対策の徹底を訴えたMISIAだが、自粛生活を続ける層からは大きな反発を招く呼びかけとなってしまった格好だ。
(木村慎吾)