映画「MINAMATA‐ミナマタ‐」の製作・主演を務める俳優のジョニー・デップが9月2日、フランスからオンライン記者会見に出席。共演した俳優の真田広之に感謝を述べた。
映画は、日本の「四大公害病」の1つである水俣病がテーマ。デップは主人公である心に傷を抱えた報道写真家を演じる。取材をきっかけに主人公が熊本県水俣市で暮らしながら人々の日常や抗議運動、補償を求める活動の様子をカメラに収め、ともに戦いに身を投じていく3年間の濃密な日々が描かれている。
会見の中でデップは本作の製作に関して「すべての面で日本の皆さんに面倒をみてもらったという認識でいる」と感謝の気持ちを述べた。映画には真田広之のほか、美波、國村隼、加瀬亮、浅野忠信ら多数の日本人キャストも参加しており、デップは「日本の俳優の皆さんは才能にあふれる方々でした。すべてにおいて期待した以上のことを提供してくれました」と絶賛。中でも真田について質問されると「2日間撮影があってオフの日でも毎日現場に来ていた。日本語表記の看板なども自ら書いてもくれた。エキストラの手伝いや、若手の役者の指導などもしてくれた。それらをしつつも集中力を一切失っていなかった。内的に自分を見つめるという俳優としての仕事をこなしていることに感動した」と称賛した。
「真田はハリウッド本格進出のきっかけとなった03年の映画『ラスト サムライ』でも主演のトム・クルーズに殺陣や日本語を親身になって教えただけでなく、演出面では日本人から見ておかしい部分のアドバイスをしています。結果的に役者としてだけでなくスーパーバイザー的な役割も担っていました。
本作でも出演依頼があった時に監督に『日本の文化をどうやって描いていくのか』と尋ね、その結果、監督から直々に監修を頼まれたそう。真田はほぼボランティアでセットから小道具、看板に書かれた日本語など入念にチェックしたとか。真田がそこまでするのは『正しい日本文化を伝えたい』という思いがあるからだそう。その真摯な姿勢によって今ではデップをはじめ、キアヌ・リーブス、ヒュー・ジャックマンなど多くのハリウッドセレブから尊敬を集めています」(芸能記者)
ネットでも《真田さんはハリウッドの日本人の中でいちばんリスペクトされてる俳優だから納得だわ》《最近は若い俳優もハリウッド進出! とかチャレンジしてるけどやっぱり真田広之と渡辺謙は先駆けだけあって別格感があるなー》など称賛の声が相次いだ。
後に続く役者も見習って、ぜひとも世界で活躍してほしいものだ。
(柏原廉)