親の終活を考える──終活の種類を把握しよう

 コロナ感染や自然災害が増えているのを受け、互いに万が一のことがあったときのことを考えて、家族間で話し合いをした方も多いかもしれません。

 葬儀サービスやEC事業などの企画・運営・開発を行うユニクエストが2021年6月、60代以上の男女521名に対して実施したコロナ禍での終活に対する意識調査によれば、終活という言葉について「知っている」と答えた人は96.2%であった一方、「知っている」と回答した人の中で「おこなったことはない」という人が87.7%と、終活をしていない人がほとんどという結果でした。

 実際に始めた人は60代から始めた人が最も多く、そのきっかけは、「自分のことは自分でしたいから」「子どもに迷惑をかけたくないから」が多くを占めていました。

 自分の親世代が60代以上で、そろそろ親の終活が気になっている子世代も多いのでは? でも、終活とひとくちにいっても種類がたくさんあります。三井住友信託銀行がオンラインで実施した終活セミナーによると、終活は大きく2種類に分けられ、次のような財産のことと財産外のことがあるそうです。

■亡くなったときのための準備

 遺品整理(デジタル遺品)/医療費の精算などを誰に頼むか/葬儀・埋葬などを誰に頼むか/金融資産を誰にどれだけ残すか/住まいを誰に残すか

■人生を生き生きと過ごすための準備

 断捨離、やりたいことの整理、ペットと暮らす/かかりつけ医、認知症への備え/金融資産の運用、長生きリスク(保険)/住まいの選択、機能向上

 両親が60代であれば、まだ若いので「人生を生き生きと過ごすための準備」から勧めてみてもいいかもしれませんね。

 最近、話題になっているのが、遺言をデジタルで遺す「デジタル遺言」です。例えば、ユニクエストのLINEで作る新しいエンディングサービス「タイムカプセル」は法的に効力はないものですが、資産や身の回りのこと、延命治療、葬儀、納骨、メッセージなど、さまざまな情報をLINEで手軽に記録できます。法的な遺言は後日行い、今は練習の意味もかねて、終活を始めるきっかけにしてみるのもいいかもしれません。

 また、住まいについては、三井住友信託銀行が無料で配布する「シニア世代応援サポート シニア世代の住まいを考える3.0」が参考になります。住まいの選択の重要性や健康機能低下への備えなど、老後の住まい選びを考えるヒントが満載。親と一緒に、将来の住まいについて話し合うネタにしてみるのもオススメです。

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