ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏が抱いていた積年の夢は、手掛けたステージを世界に届けることだった。自身が米国ロサンゼルスで生まれ育ち、日米の二重国籍を持っていたため、ミュージカルの本場に精通。50余年にわたってジャニーズのステージを世界レベルに引き上げることを考えていたため、ジャニーズJr.オーディションで外国人を親に持つ美少年を注視したこともある。そのせいか、近年のグループにはハーフが目立つ。
デビューイヤーから2年連続で「NHK紅白歌合戦」への出場を決めたSixTONESでは、ジェシーの父がアメリカ人。入所のきっかけは、10歳の時に通っていた空手教室にJr.の子がおり、ジャニー氏がハーフのメンバーを探していたタイミングで紹介された。会ったその日にジャニー氏から1000円をもらい、1、2週間後に「ザ少年倶楽部」(BSプレミアム)に出演。順調すぎる滑り出しだった。
SixTONESとともにメジャーデビューしたSnow Manでは、9人のうち2人が外国人を親に持つ。最年少(18歳)でセンターにして現役モデルでもあるラウールは、父がベネズエラ人。現役高校生で180cm超えの長身は、父譲りだ。Jr.時代は本名の「村上真都ラウール」で活動していたが、グループへの追加加入を機に改名した。
ラウールと一緒に加入した向井康二は、関西ジャニーズJr.出身。母がタイ人だ。ムエタイを習っていた小学2年生の時、ジム内に貼られていた写真を見たジャニー氏からスカウトされた。滝沢秀明のコンサートに招待されたが、まだ子どもだったため、ジャニー氏のヒザの上で漫画を読んでいたという。
「関ジュ出身では、ジャニーズWESTの中間淳太のお父さんが台湾人。小学4年生から中学3年生まで台湾に住んでいました。KinKi Kidsの台湾コンサートで開かれたオーディションに参加して合格。帰国後に入所しました。現在の関ジュでは、Aぇ! groupの草間リチャード敬太は、お父さんがアメリカ人。生まれも育ちも京都なので、英語はまったく話せません」(アイドル誌ライター)
中間は関西学院大学卒で英語、中国語、日本語、台湾語を話せるマルチリンガル。Sexy Zoneで現在は休養中のマリウス葉は、父がドイツ人で母は中国と日本のハーフのため、日本語、ドイツ語、英語も話せるトライリンガル。母は元宝塚歌劇団の男役だったよう明(ようは火へんに華)(よう・あきら)さんだ。
一昨年はスノスト(Snow ManとSixTONES)、昨年ははなにわ男子がデビューしたが、明日のデビューを夢見るジュニアのなかにはハーフがまだいる。ジャニーズグループの著しいグローバル化。タッキー副社長のお眼鏡にかなう原石は2022年にデビューとなるか。
(北村ともこ)