元NHKアナウンサーで、現在はフリーで活動する登坂淳一が1月24日放送の「痛快!明石家電視台」(MBS)に出演し、バラエティ番組で正しいリアクションができないことに悩んでいると打ち明けた。
登坂は1997年4月にNHKへ入局し、昼、夜の報道番組を任されると、選挙や政治関連特番のキャスターも担当。“麿”の愛称で人気を博し、2018年1月よりフリーアナウンサーとしての活動をスタートさせた。
そんな登坂だが、NHKでは「失ったもの」があるとして、「報道番組をやってきましたので、いつも冷静な対応が求められる。感情がどんどん失われていくんです」と説明。「例えば地震が起きて、妻が『地震だ!』って言っても、ちょっと待ってと。時間を確認して、揺れてる時間を『1、2、3、4‥‥』と数えてしまう。ドキドキしても表に出ないんです」と、どんな状況下でも冷静にニュースを伝えていた頃の名残があるという。
NHK報道番組を担当した登坂ならではの体験だが、バラエティ番組でもこうしたクセがマイナスにはたらくことが多く、「ドッキリを仕掛けられて、誰もいない部屋に1人でいたら、壁を突き破って男の人がワーッと出てきたのだけど、『男の人が出てきた‥‥』というリアクションしかできなかった」と反省。状況を即座に整理する習慣が残り、この日のスタジオで渡された“ビリビリペン”についても、ノックして指に伝わったはずの電流を冷静に対処。MCでお笑いタレントの明石家さんまに「リアクション、ホントだったらどうしたらよかったんでしょうか?」と指南を求めていた。
これを受け、さんまと松尾伴内が「ぎゃー!」と叫びながらオーバーリアクションを取るお手本を見せるも、さんまは、「これで尺は持ちます。でも、この笑いはもう古いです」と解説。登坂は「勉強になります」とバラエティ番組での正しい振る舞い方を学んでいた。
「さんまにもビリビリペンに対する正しいリアクションのレクチャーを求めるなど、この日も真面目な一面をのぞかせた登坂でしたが、ネットでは『ご本人のYouTube見てますけど、十分にキャラを生かしていて、あれはあれで面白いのではないでしょうか』『失ったものじゃなく、得たものだよな。タレントや民放のチャラチャラしたアナウンサーじゃできない芸当を持ってる』『人柄もものすごくいいと思います』『どんな場面でも一生懸命だし、なにより冷静なところにホッとします』などと好意的に捉える声が大半に。また、非常時における平静を保ちながらのアナウンス力に関しても『桁外れです』『東日本大震災の時、札幌のスタジオから登坂さんが出てきて落ち着いたトーンで速報を読み上げたのには凄く安心しましたよ。アナウンサーとしてはやはり優秀だったと思います』『私の主観ですが、日本の現役アナウンサー実力No.1だと思います』といった称賛も見られました。無理をしてバラエティ番組に順応するよりも、そのアナウンス力を生かした分野で活躍してほしいと期待する人も多かったです」(テレビ誌ライター)
やはり、登坂にはビリビリペンよりもニュース原稿のほうが相性がよさそうだ。
(木村慎吾)