好きな人の願いをすべて叶えてあげたくなる……そんな女性は少なくありません。無理しない範囲ならいいのですが、無理が続くのはオススメしません。
なぜなら、第一にあなたに大きなストレスがかかり、恋を楽しめなくなるからです。こうした自己犠牲の愛を、心理学では“エロスの愛”といいます。
この愛し方をする人は、最初のうちは尽くすのが生きがいで楽しめるのです。まるで小さな子どもを育てる母親のように、彼のすべてを許そうとします。でも、いつしかストレスをため込み、心が不安定になってしまうのです。
それに男性側は、なんでも言うことを聞いてくれる女性は便利だけれど、それほど魅力を感じないものです。数回お願いしたうち1回は断られるほうが、相手への興味が増すのです。
人間には現状に反発したくなる心理があり、これを“リアクタンス理論”といいます。デートに誘って断られたときの心理状態などはまさにこれ。断られてしまった現状は「嫌だ」という反発する気持ちから、また相手を誘いたくなるのです。
また、彼自身が不義理をしたときには、100%許してもらって受け入れられるより、叱られるほうがあなたへの愛情が増します。相手を追いかけたくなります。
いちばんいいのは、まずはチクリと本音で叱ってから、優しい言葉で締めくくること。その逆で、優しくしてからチクリと叱るのはあまり効果がありません。そして、もっとも効果がないのが、相手のすべてを許すことなのです。
つまり、彼の願いをあまり聞かないほうがモテるのです。実は恋愛って、そんなに大変な思いをしないほうがうまくいくのです。自己犠牲の愛は、自己満足と思うほうがいいかもしれませんね。ほどほどにして、もっと自由を大事にしてください。そして、彼とも仲良くなってくださいね。
安藤房子(あんどうふさこ) 恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テストの作成やメディアでMCとしても活躍中。