A.B.C-Z(橋本良亮、戸塚祥太、河合郁人、五関晃一、塚田僚一)は、ジャニーズ事務所の創業者である故・ジャニー喜多川氏から「ボクはYOUたちのファンだよ」と“告白”された数少ないジャニーズグループだ。
きっかけは、メンバーそれぞれが単独で座長を務める舞台「ABC座」。初演の翌13年、14年、17年~19年、21年はジャニー氏、ジャニーズ事務所、所属タレントの歴史や栄光、挫折や苦悩を描いた「ABC座 ジャニーズ伝説」として上演。A.B.C-Zファンの“エビ推し”からだけではなく、事務所推しからも高い評価を得て、チケットは毎公演即完売した。
14年と17年は作・構成・演出がジャニー氏、15年と16年は錦織一清が演出を担当。ジャニー氏が逝去した19年は、滝沢秀明副社長が演出を継承。KinKi Kidsの堂本剛が初めて楽曲を提供して、ジャニーズ魂を表現した。21年は、滝沢氏から指名されたA.B.C-Zが初めて演出も兼務した。
「ジャニーさんは基本、デビューしたアーティストを面と向かって褒めません。しかし、A.B.C-Zには、フィクション性をなくした17年の公演の際、『ボクが見ても嘘がないストーリーだよ』と褒め言葉。その年に初めて、ファンであると告げました」(アイドル誌ライター)
世界のエンターテイナーだったジャニー氏から直接褒められたことは、メンバーの大きなエネルギーになった。しかし、のちに同世代でジャニーズJr.時代はライバルだったKis-My-Ft2にも同じことを言っていたことを知った。齢を重ねたジャニー氏は、考え方が丸くなっていたのかもしれない。
「1980年代は少年隊の前でマッチを褒めちぎってていたといいます。SMAPの結成当初は、しょっちゅう灰皿を投げて怒鳴っていたとか。30代から40代、ジャニーさんはタレント以上に必死だったのです」(前出・アイドル誌ライター)
今年はA.B.C-Zの10周年アニバーサリー。2月にデビュー月を終えているが、通年でお祝いイベントは続く。
河合人気にいっそう引っ張られる今年のA.B.C-Z。記録はまだ増えることだろう。
(北村ともこ)