コロナ禍で我が子の入学式や卒業式、さらには修学旅行や運動会までもが中止となり、「かわいそう」「子どもたちはさびしそう」「いたたまれない」といった親たちの悲しみの声が、ネット上に多く挙がっています。一方で、ある調査結果では、若者たちは「意外と前向きに生きている」ことが分かっているのだとか。
クラシエフーズが展開する『フリスク』ブランドが2022年4月、18~69歳の男女1万人に調査を実施。18歳から24歳までの若者たちに、アフターコロナに突入した現在の価値観や考え方について質問したところ、「かわいそうと言われるけど、それなりに日々を楽しんでいる」と回答した割合が41.6%という結果だったそう。逆に、大人からの「かわいそう」という言葉に「モヤモヤしている」若者は多かったようです。
さらに、大人より若者の共感度のほうが高い結果となった回答には、「変化することに慣れてきた」「移動という無駄が省かれて効率的」「オンライン配信などは従来よりも活動の選択肢が広がった」「会いたくない人に会わなくて済む」などがありました。これらの結果をみると、同情の目で若者を見る大人は、ある意味で“勝手な思い込み”を押し付けているのかもしれませんね。
この調査結果に対して世代・トレンド評論家の牛窪恵さんは、若者たちが“それなり”に日々を楽しんでいる理由として「デジタルネイティブ、かつSNSネイティブといわれる世代は、幼少期や小中学生の頃にスマホやSNSが既に社会に浸透し、それらを手足のように使いこなしてきました。ゆえに、制約が多いコロナ禍でも、オンラインのメリットを器用に取り入れ、普段の生活をそれなりに楽しめたのでしょう」と述べています。
また、「彼らは幼少期から、リーマンショックや東日本大震災、多くの自然災害に見舞われ、『いつ何が起こるか分からない』と危機感を抱いてきました。だからこそ未知のウイルスが拡がった際も、大人世代ほどうろたえなかった感があります。普段から『何かあれば助け合おう』と、SNSなどを通じてさまざまな人たちと緩く繋がってきたことも、安心感をもたらしたのかもしれません」と分析しています。
大人世代は若者の価値観にもっと目を向け、そのたくましさを見習う必要がありそうです。