今年も7月に音楽特番「音楽の日2022」(TBS系)が放送される。東日本大震災を機に11年に始まった夏の大型音楽番組。総合司会は12年連続で中居正広と安住紳一郎アナウンサーが務める。
アーティストの歌唱を邪魔しない控え目な司会は、さすが百戦錬磨の中居。ジャニーズファンの間で語り継がれているのは、退所した20年7月18日の放送回だ。同年いっぱいで活動を休止することが決まっていた嵐、V6やKinKi Kidsといった長い付き合いの後輩と、貴重な絡みをたくさん見せた。
そんななか、特にネットがざわついたのはKis-My-Ft2との歌唱前トーク。メンバーに「今(午後)8時15分」と言いながら、着けていた腕時計の文字盤を見せた。その瞬間、メンバーは大喜び。中居が着けていた高級腕時計は、世界3大ブランドのオーデマ・ピゲの人気モデルで、およそ280万円もする超一流品。贈り主はキスマイだった。中居のジャニーズからの独立、個人事務所の設立と社長就任を祝して、お金を出し合って購入。20年5月、メンバーを代表して宮田俊哉が中居の控室を訪ねて、シャンパンと一緒に手渡した。
高級腕時計には、小粋な工夫がされていた。事情通のエンタメライターが言う。
「裏面にKis-My-Ft3と刻まれているのです。中居がその年の2月に開いた退所独立記者会見で、記者からSMAP復活にまつわる可能性について聞かれた時、『僕がキスマイに入ってKis-My-Ft3になるかもしれない』とジョーク混じりで、可能性を秘めた答え方をしたのです。大事な会見で自分たちの名を出してくれたことを喜んだメンバーは、『いつでもキスマイに入ってください』という意味を込めて特注で刻んだのです」
通常、オーデマ・ピゲほどの世界規模のブランドは、文字刻印といったオーダーを受け付けない。ところが、今回は特別にパーソナルオーダーとなり、世界で1本しかない逸品が完成した。
“世界に一つだけ”の腕時計。キスマイにとって中居は“もともと特別なOnly one”なのだ。
(北村ともこ)