旧統一教会と政治の関わりにまつわる報道の激化を懸念する声が集まる中、歌手・泉谷しげるはむしろ「ヒートアップするべき」との見解を示した。
安倍晋三元首相の銃撃事件を発端に始まった旧統一教会へのバッシングは収まる気配がなく、現在は同団体と関わりがあった政治家にも激しい批判の矛先が向けられることに。
また、8月10日に発足した第二次岸田改造内閣にも、旧統一教会と関係のある7人の閣僚が含まれていることがわかっており、依然として政治と宗教について激論が交わされている現状がある。
8月14日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)でも、この改造内閣の顔触れについて取り上げると、泉谷は「コイツら、バカなんじゃないかと思うよね。ボスが殺されたんだから、悔しさをなぜ出さないのかと思うのさ。トップが殺されてよ、(旧統一教会と)関わった人間を外して済む話じゃない。(献金問題で)困った人がいっぱい出てるんだから。その背景で、ああいう(銃撃)行為を行っちゃう人がこれからも出てくるかもしれない」と批判した。
一方で、旧統一教会と関わりがあったとされる安倍元首相への銃撃事件をキッカケにして、世論が激しく突き動かされている事実には、警鐘を鳴らす声もある。
お笑いコンビ・爆笑問題の太田光は、MCを務める「サンデー・ジャポン」(TBS系)で、政治家と旧統一教会の関わりや、同団体の巨額献金トラブルにまつわる報道を「そもそもこの問題、きっかけがテロだったことをマスコミはもう少し自覚しないといけない」「テロによって我々が動き出したっていう自覚を持たないと、こうすれば社会が動くって思う人が潜んでいる」と警告。
また、8月8日の「めざまし8」(フジテレビ系)でも、社会学者・古市憲寿氏が「一部で報道がヒートアップして、旧統一教会批判が起こっているが、もちろん批判すべきことは批判すべきだし、犯罪行為糾弾は必要だが、あまりにもヒートアップすると山上(徹也)容疑者の目論み通りになってしまう」と報道の在り方に疑問を呈していた。
「太田と古市氏は、山上容疑者が最も望んでいた展開になりつつあることを懸念しましたが、番組内で古市氏のコメントを紹介されると、泉谷は『何言ってんだコイツ。ワケわかんねぇな』と一蹴。今回の報道は『ヒートアップしたほうがいいのよ。しないとダメよ。今回は騒ぐべきだ』と主張。
山上容疑者の行為は凶悪な犯罪事件として相応の処罰を科しつつ、一方で、旧統一教会による霊感商法疑惑や、政治との深い関わりには監視の目を向けるべきだとする意見はネット上にも多く書き込まれており、『ここで騒がなくて、いつ騒ぐのって感じ』『今は徹底的に自民党内を検証して膿を出すべきではないのですか?』『政治家とズブズブである以上、国民やメディアが思いっきり騒がなければうやむやにされてしまう』などの反応がありました」(テレビ誌ライター)
山上容疑者のように、暴力で現状を変えようとする行為は許されるものではない。しかし、そうした行為を誘発してしまうような献金問題などについても、徹底的な見直しが求められていると言えそうだ。
(木村慎吾)