血液中で酸素の運搬を担う鉄分は、全身の健康だけでなく、脳の活動を活性化させるためにも重要な栄養素のひとつ。貧血や疲れやすさを防ぐため、また成長期の子どもにとっては運動能力や学習能力の向上のために、欠かさずに摂取したいものです。できれば、吸収率の高いレバーなどを積極的に取りたいですが、そうした食品が苦手なお子さんも多いと思います。そこで、そんな場合に知っておくと役立つ“鉄分補給法”を紹介しましょう。
■子どもでも食べやすい食品から鉄分を摂る
レバーと同様、吸収されやすい鉄分が豊富な食材として、肉の赤身、まぐろやカツオ、イワシ、あさり、シジミなどがあります。また、動物性の食品には吸収率が劣るものの、豆腐や納豆、枝豆、厚揚げ、そら豆、ほうれん草、水菜、ひじき、胡麻などにも鉄分が含まれています。これらは、たんぱく質やクエン酸、ビタミンCが含まれる食材と一緒に摂取すると吸収率を高めることができます。
レバーやほうれん草が苦手でも、これらの食材を上手に組み合わせて日々の食事に積極的に取り入れるようにすると、鉄分を補給しやすくなりますよ。
■鉄鍋や鉄玉を活用する
調理の際に鉄鍋を使用すると、溶け出した鉄分を料理と一緒に摂ることができます。コーティングのされていない、鉄分が溶け出しやすい鍋を選びましょう。鉄鍋がない場合は、鍋に入れてお湯を沸かすことで鉄分が溶け出す鉄玉を利用すると、手軽に補給することができます。
■鉄分が強化された食品を選ぶ
子ども向けのお菓子や野菜ジュース、サプリメントには、鉄分補給が可能なものもたくさんありますから、上手に取り入れるとよいでしょう。ただし、日々の食事で十分なら鉄分の摂り過ぎになる可能性がありますから、含有量をチェックして、月齢や年齢に合った量に調整しましょう。
まずは、日々の食事で積極的に鉄分補給ができるよう、献立を見直してみることから始めてください。食事でどのくらい鉄分を摂取できているかが分かると、調理器具やサプリメントなどでどの程度補えばよいのかも分かってきます。親子で鉄分不足を回避して、ぜひ毎日をはつらつと過ごしてくださいね。
(Nao Kiyota)