コロナ禍がまん延する前、ジャニーズ事務所内でひそかに結成されていた部活動がある。「鑑賞部」だ。国内のステージだけではなく、ショービジネスの本場であるアメリカなど外国にも足を運び、ステージを観るのが主な目的だ。メンバーはKis-My-Ft2の北山宏光、A.B.C-Zの戸塚祥太、Hey! Say! JUMPの薮宏太、Sexy Zoneの佐藤勝利など。ジャニー喜多川氏が築き上げた国内外のショーの世界に傾倒している面々だ。20年の正月には、戸塚を除く3人が米国ニューヨークを訪れている。
国内では分刻みのスケジュールに追われているメンバーとあって、異国ではゆっくり過ごす。お酒が好きな北山は、夕食後にバーなどをはしごすると朝まで痛飲することが珍しくない。後輩の佐藤は眠さのあまり、船をこぎながら早朝4時ごろまで付きあったことがある。
そのニューヨーク旅行では、ダブルの奇遇に遭遇している。アイドル誌記者は言う。
「『ジャニーズ』という店名のバーがあったのです。さらにそこを、現地で会えた松本潤と一緒に訪れているのです。20年といえば、嵐がまだグループ活動をしていた時期。グループの垣根を超えた4人がプライベートでそろうことはほぼ初なので、後輩たちは嵐の活動やライブの作り方などに興味津々。案の定、朝までコースとなり、佐藤の記憶はおぼろげだったとか」
太っ腹すぎるエピソードに事欠かない松本は、アメリカでも裏切らなかった。鑑賞部3人が滞在していた4日間のうち2日間、松本は夕食をともにし、飲食代はすべておごった。松本が現地の友人と約束していた「謎解きハウス」にも3人がついてきたため、そこも当然払ったという。
「最初の2日間で後輩たちは遠慮なく飲んで食べて、マツジュンはかなり出費。3日目の誘いはさすがに断ったそう。佐藤には、『潤くんが行きたい場所に行くのが僕らの楽しみ。潤くんが楽しいって思ってることは絶対楽しいって思ってたから』という持論があったため、本音を言えばとことん同行したかったようです」(前出・アイドル誌記者)
佐藤は、この前年(19年)の大みそか恒例の「ジャニーズカウントダウンコンサート」で、松本が正月はニューヨークで過ごすことを知った。なかば社交辞令で「お会いできたらうれしいです」と伝えておいたが、本当に合流できると思わなかったとか。
かくして、貴重な4グループの顔合わせとなったが、松本にとってはイタすぎる出費だったことだろう。
(北村ともこ)