現在公開中の映画「川っぺりムコリッタ」の公開記念舞台挨拶が9月17日に行われ、映画を観た観客からムロツヨシの変貌ぶりに驚きの声が上がっている。
この映画は2006年に映画「かもめ食堂」などを手掛けた荻上直子監督が発表した同名小説をみずからメガフォンを取り映像化。北陸の小さな塩辛工場で働くために引っ越して来た元・受刑者の山田(松山ケンイチ)が、ちょっと変わった隣人と接するうちに、ささやかな幸せを感じていくハッピームービー。
この作品でムロが演じているのは庭で野菜を育て、ある日「風呂を貸してほしい」とやってくる隣の部屋に住む島田役。風呂だけでなく、夕食時になると向かいに座り、ご飯を食べてゆく。最初は“ひっそりと暮らしたい”と考えていた山田だが気がつくと隣人とかかわり合いを持つようになり、島田の不器用な優しさに励まされるうちに友情にも似た感情が芽生えていく。
役作りのために体重を増やして撮影に臨んだムロだが、撮影の2日目に監督に呼ばれ、「今までのムロツヨシはいらない」と言われ、本人も「撮影現場では萩上監督との戦いでした」とコメントしている。
「監督から『サービス精神のあるムロツヨシ』『現場の空気を読むムロツヨシ』『縁の下の力持ちとしてなんとかしようとするムロツヨシ』、これ全部いらないと言われたムロは、役作りに悪戦苦闘。そんなムロを見ていた共演する満島ひかりは『とにかくやっつけられているムロさん。いつもよりふっくらして、汗でべっとりしていて、それがかわいそうであり、とても可愛らしかった』と舞台挨拶でコメントし、会場の笑いを誘っていました」(週刊誌記者)
バイプレーヤーとしてキャリアを積み重ねて来たムロだが、昨年公開の映画「マイ・ダディ」で主役を飾ると今年公開された映画「神は見返りを求める」でも主演。今や主演を演じられる俳優の1人だ。
「今回、20年俳優をやって来たルールや成功体験を否定されたムロですが、『今回は全部受け入れることができた』『役者人生において“萩上以前”“萩上以後”というほど転機になった』と語っています」(前出・週刊誌記者)
ムロファンならずとも、ぜひ観てみてはいかがだろう。
(窪田史朗)