「作家としても大活躍」加藤シゲアキの頭を真っ白にさせた木村拓哉の「一言」!

 今年はNEWSの加藤シゲアキの作家生活10周年だ。20年11月に発行された「オルタネート」は、「第164回直木賞」と「第18回本屋大賞」で最終選考まで残った。惜しくも受賞は逃したが、「第42回吉川英治文学新人賞」と「第8回高校生直木賞」を獲得。ほかにも「第66回岸田國士戯曲賞」にノミネートされるなど、アイドルの垣根を超えて作家としても広く知られた。

 青山学院大学法学部卒で、12年に「ピンクとグレー」で文壇デビュー。初年度売り上げ12万部、累計発行部数は45万部を超える空前の大ヒットとなった。13年に「閃光スクランブル」、14年に「Burn. ‐バーン‐」、15年に「傘をもたない蟻たちは」、17年に「チェベローズで待ってる」、20年にエッセイ集「できることならスティードで」を刊行。「ピンクとグレー」は映画化、「傘をもたない蟻たちは」は連続ドラマ化されている。

 アイドルとしてはSMAP時代の香取慎吾に憧れて、10代でジャニーズ事務所に入所。03年にNEWSの一員でメジャーデビューした。人生でもっとも緊張したのは事務所の大先輩である木村拓哉と対面した時だという。

 加藤は昨年、木村が94年に主演した青春群像劇「モダンボーイズ」で約3年半ぶりに舞台で主演を飾った。それまで、木村と会話らしい会話をしたことはなかったが、木村以来、約27年ぶりの再演とあって挨拶できる機会に恵まれた。

 その日は「情報解禁で知られるのも失礼かと思いまして‥‥」など、話す内容を台詞のように丸暗記していった。ところが、木村と会った瞬間に「やるんでしょ?」と逆に話しかけられ、台本のすべてが飛んだ。そこからは木村の独壇場と化し、会話の手綱を握られた。

「加藤は繰り広げられる“キムタクワールド”にうなづくしかなく、『はい』と直立不動。手も震え、さながらジャニーズJr.の子どもだったそうです。30年以上もこの業界にいても、まだこんなに緊張することがあるんだと、自分で驚いたとか」(女性誌記者)

 9月30日には、作家生活を振り返る2.5万字超ロングインタビューや、羽田圭介や又吉直樹(ピース)ほか人気作家9名が同じテーマで創作するほか、内容が盛りだくさんの単行本「1と0と加藤シゲアキ」を刊行。自身は編集長の肩書きだ。同誌に収録されている「渋谷と1と0と」は原作・脚本・監督・主演のすべてを担当して、ショートフィルムとして今秋の配信が決定している。映画監督としてもデビューするのだ。

 作家であり、映画監督にもなった加藤。そんな“先生”をも童心に帰らせるキムタクパワー。スーパースターはレベルが違う。

(北村ともこ)

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