人数や活動形式の変遷を遂げてきたジャニーズグループは多い。少年隊は主演ミュージカル「PLAYZONE」を後輩に譲った07年以降、東山紀之、錦織一清、植草克秀がソロ活動にチェンジ。再結成しないまま、20年いっぱいで錦織と植草がジャニーズ事務所を退所。「少年隊」の屋号は東山が持っている。
SMAPは、唯一ジャニーズに残留している木村拓哉、個人事務所で活動する中居正広、SMAPの元チーフマネージャーと行動をともにした稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3派に分裂。「SMAP」の名を継承する者はいない。
SMAPは旧国立競技場でコンサートを開き、ライブの累計観客動員1000万人を突破した最初のジャニーズグループ。ほかにもキリがないほどの記録を持つ。いまだに破られていないのは、日本武道館で1日に最も多く公演した回数。CDデビューした3年後の94年1月1日、朝にスタートして1時間半のステージを2時間おきに、計6公演もこなした。
「SMAPは、シングルCDの初登場1位を獲得できるまでに3年ほどかかっています。その低迷を打開するキャンペーンの一環が、武道館6公演でした。この頃メンバーは、『坂本九さんは1日3分しか寝てないんだ。おまえらに寝る時間なんてあるか!』とスタッフから言われています」(アイドル誌ライター)
ジャニーズは同年5月15日、秋のデビューを控えたTOKIOにも試練を与えた。大阪・松竹座で1日10公演させたのだ。この成功によって、「ジャニーズ=松竹座」のレールが完成。関西ジャニーズJr.出身の関ジャニ∞、ジャニーズWEST、なにわ男子らの聖地となり、巣立っていった。現在も関西ジャニーズJr.たちが年2ペースで単独公演を開いている。
2000年代には、さらに記録が更新された。現在の亀梨和也と上田竜也と中丸雄一に加えて、赤西仁、田中聖、田口淳之介もいた6人体制のKAT-TUNが02年8月27日、松竹座で1日11公演を樹立したのだ。しかも、前日の26日に3回、翌日の28日に6回も公演した。
「この02年は、KAT-TUN伝説の幕開けでした。デビュー前にもかかわらず、8月の単独初ライブには約55万人の応募が殺到。のちに赤西&亀梨の“仁亀コンビ”がドラマ『ごくせん 第2シリーズ』(日本テレビ系)で知名度を上げ、亀梨&山下智久のドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)から派生したユニット・修二と彰のデビューシングル『青春アミーゴ』はミリオンヒット。グループでは、デビュー前に東京ドームで単独コンサートを開いています」(前出・アイドル誌ライター)
SMAP、TOKIO、KAT-TUNには、デビュー時からメンバーが脱退している共通点がある。SMAPは6人から5人になって、16年に解散。TOKIOは5人から3人に減少して、音楽活動から身を引いた。KAT-TUNは6人から3人に半減した。
記録を作るとメンバーが辞める‥‥そんな芳しくないジンクスがあるのかもしれない。
(北村ともこ)