NHKは12月7日、今年デビュー50周年を迎えたシンガー・ソングライターの松任谷由実が大みそかに放送される「第73回NHK紅白歌合戦」へ特別企画で出演することを発表した。
松任谷が紅白に出場するのは2年ぶり。特別企画での出演は3回目となる。今回は「松任谷由実with荒井由実」として出場するといい、自身の原点である“荒井由実”の歌声を最新のAI技術によって再現。最新曲「Call me back」で青春時代の自身と“共演”するという史上初の本人同士コラボレーションを行うという。
しかし、ネット上では《AIで荒井由実を再現するのは表向きの理由で、本当は「松任谷由実が荒井由実の歌声を再現できないから」だと思う》《松任谷由実さん、本当にスゴい歌手だとは思いますが、ここ最近は正直なところ「これでいいの?」と思うこともあります》など、松任谷の歌唱力低下が理由だと推察する人が続出。
ほかにも《近年増えてきている特別枠って一体何なのでしょう》《年々、紅白歌合戦の基本路線から外れて特別枠的な企画が増えてきている》など“特別枠”に疑問を呈する声も多く見られた。
勝敗に関係ない“特別枠”が紅白に初めて登場したのは1973年の第24回。2例目は1979年の第30回で、この頃は久しぶりに出演するベテラン歌手が特別枠扱いとなっていた。近年は毎年のように設けられているが、常態化したのは07年の第58回以降。この時は故・美空ひばりさんの生誕70周年記念という触れ込みで、シンガー・ソングライターの小椋佳が登場。小椋が美空さんに提供した「愛燦燦」を生前の美空さんの歌唱映像を使いつつ、小椋がデュエットで聞かせるという企画だった。その後も08年はブラジル移民100周年を記念して宮沢和史が「島唄」を歌唱。そのほかにはアイルランドからの中継でエンヤが特別出演を果たした。
「現在の特別枠は何かの周年であったり、その年の流行や世相を反映した企画色の強い楽曲、海外アーティストや大物歌手の出場が決まった際に設けられるケースが多いです。出場歌手が発表された後に追加出演者を随時発表するのは09年以降に定着しました。放送前から興味を惹きつけ、番組構成が単調にならないように創意工夫を凝らした結果であり、突き詰めれば話題性作りと視聴率獲得のためと言えるでしょう」(芸能記者)
ここ数年は“紅白離れ”も指摘されているが、食い止められるかどうかは特別枠次第かもしれない。
(柏原廉)