人気絶頂のKing & Princeから来年、平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太が脱退し、デビュー6年目となる23年5月から高橋海人と永瀬廉の2人体制になる。15年の結成から8年でメンバーが3分の1に減少することに、ティアラと総称されるファンはいまだ動揺を隠せない。
群を抜いた人気は平野。通常のオーディションではなく、ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏から直接入所を許可された。
小学2年生から地元の愛知県でダンススクールに通っていた平野は、ダンス合宿で上京した際、元ジャニーズのバックダンサー「ジャPAニーズ」の一員だったボビー吉野氏のレッスンを受けた。同氏は光GENJIや少年隊ほか、昭和のジャニーズアイドルの振り付けを担当し、ジャニー氏とも懇意。整ったマスクに高いダンススキルだった平野をジャニー氏に紹介すると、その場で採用が決まった。
入所した翌12年に関西ジャニーズJr.に所属すると、わずか2カ月後にアメリカ旅行に帯同。世界的ミュージカル「シルク・ドゥ・ソレイユ」をジャニー氏、Sexy Zoneらと観劇した。ジャニー氏は現地の有名振付師に、「この子はスターだよ」と平野を紹介。16歳にして溺愛されていたようだ。
ジャニー氏は、24時間スカウトの目を光らせていたことで有名だった。東山紀之は小学6年生の丸坊主だった時、渋谷の交差点近くの電話ボックスの前で声をかけられた。元光GENJIの諸星和己は静岡県から上京後、代々木公園で野宿していた時に声をかけられ、名刺をもらった。この公園では、小学5年生だった野村義男がゴーカートで遊んでいた時もスカウトされている。
「ジャニーさんがモットーとしたのは、子どもらしさ。特に、無防備で遊んでいる子どもに目をつけていました。HiHi Jetsの猪狩蒼弥さんは、パークでローラースケートの練習をしていた時に声をかけられています。後日、メロンソーダやうどんをごちそうになっています」(週刊誌記者)
SixTONESは、メンバー6人のうち2人がスカウトだ。森本慎太郎は、兄の龍太郎が元Hey! Say! JUMPのメンバー。龍太郎がKAT-TUNのバックダンサーとして出演したコンサートを家族で観たあと、中華料理を食べていた時に慎太郎はジャニー氏から、「龍太郎くん?」と間違えて声をかけられた。そして、その場で「ジャニーだけど、うちに来ない?」と誘われ、家族と面談までしている。
京本大我はジャニー氏がハワイのレストランで店内に貼られていた写真を見て「この子誰?」とスカウト。父親が俳優の京本政樹であると知らずに、連絡を取っている。
1枚のポラロイド写真から、「その子の10年後が見える」のがジャニー氏。天国に旅立っておよそ3年がたち、今年10月にはジャニー氏が心血を注いだ滝沢秀明氏も副社長の座から退任した。巷の美少年がアイドルへの片道切符を手に入れる奇跡はもう、この先は起こらないかもしれない。
(北村ともこ)