ドラマ「silent」(フジテレビ系)が12月23日に最終回を迎えた。
若年発症型の中途失聴に悩まされる佐倉想(Snow Man・目黒蓮)を中心に、手話を通して想との交流を図る健聴者の青羽紬(川口春奈)や、生まれつき聴覚に障害を持つ桃野奈々(夏帆)らの繊細な人間模様を描いた同作。“死に枠”とされた「フジテレビの木曜22時」を盛り上げ、見逃し配信の驚異的な再生数や、夏帆の熱演などで、大きな反響を呼んできた。
そんな中、過去の放送回のあるシーンが物議を醸し続けているという。
「視聴者から否定的な見解を集めたのは、想の姉・華(石川恋)が結婚して出産した子供に名付けた『優生(ゆうき)』との名前です。華は、弟の病気が遺伝性であることを知ると、産まれてくる自分の子供も同じように耳が聴こえなくなるリスクを懸念。出産後に検査を受けたところ、赤ん坊に障害が遺伝していないことが判明し、安心して『優生』と名付けました。これが障害者差別として多くの非難を浴びながら、1996年まで施行されていた『優生保護法』から引用したネーミングではないかと考察されているのです。同法は優生思想・優生政策上の見地から不良な子孫の出生を防止することと、母体保護という2つの目的を有し、強制不妊手術(優生手術)、人工妊娠中絶、受胎調節、優生結婚相談などを定めたものでした。そのため、ネット上では『残酷すぎて震える』『絶対に意図的だよね』『あれだけの大人が関わっていて偶然なんてあり得ない』『字幕で観ないと気付かないっていうのもワザとっぽい』などの拒絶反応が殺到しています」(テレビ誌ライター)
これは12月8日放送回での話だが、現在も「優生」と名付けた制作者側の意図に関して、SNSでは疑問の声が鳴りやまない状況。 センシティブなテーマを取り扱った作品だけに、細部の演出に至るまで注目されており、厳しい感想が上がってしまっているようだ。
(木村慎吾)