お笑いコンビ・ウエストランドによる“人を傷付ける笑い”が大きな反響を呼んでいる。
ボケのしゃべくり担当・井口浩之と、それを横から見守る河本太の絶妙なバランスが人気のウエストランド。12月18日開催の「M‐1グランプリ2022」(テレビ朝日系)では、さや香やロングコートダディといった実力者をはねのけ、優勝を果たした。
しかし、そのネタの内容については万人受けが難しく、一部で波紋を呼んでいる。2人は、1stラウンドと最終決戦で、いずれも「あるなしトーク」をベースにした毒舌系の漫才を披露し、多方面に火の粉を撒き散らした。
「アイドルは、ネクストブレイクぐらいの(若手)芸人に近付いて、“お笑い分かってます”ヅラしてる」「一部の役者は向上心がなく、互いの舞台を見合っているだけで成長しない」「アイドルは嘘ついて売れようとしてるんだから引け目の塊」「M‐1にはあるけど、R‐1にはないものは、夢。希望、大会の価値、大会の規模」など、様々なジャンルや界隈を口撃。大会後には、今年のR‐1王者・お見送り芸人しんいちが「R‐1グランプリの悪口言われたー悲しいーーー」とツイートし、早くも“傷付く人”が現れている。
「時代に逆行した芸とはいえ、現状“プチ炎上”にとどまっている理由として、『どれだけ悪口を言っても“わめく小男”で処理されるの強すぎる』『負け犬の遠吠えのように見えるから、あまり怒りを買わない』との指摘も。7月配信のYouTubeチャンネル『東野vs』では、東野幸治が井口の157センチの身長や歯並び、一重まぶた、耳の形などをイジり倒し、『全て、いいやつは神様から取り上げられた』『みんな思ってるんです。不憫なんです』と過激に表現。唯一の才能として『反逆者のマインド』を神様から与えられたとし、『それでここまで来たんですよ』と語っていました」(テレビ誌ライター)
井口の毒舌は、“せめてこれぐらいは言わせてくれよ”というささやかな反撃であり、世間もまた、それに過剰な怒りを覚えないのかもしれない。
(木村慎吾)