「スタジオ全員を“共犯者”にしたことが勝因」。お笑いコンビ・爆笑問題の太田光は、事務所の後輩にあたるウエストランドの快挙をそのように分析した。
M-1を制した初のタイタン所属芸人となった井口浩之と河本太。同事務所のトップである太田は、12月21日放送のラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」で2人の優勝を祝福すると、相方・田中裕二も「まさかまさかの優勝ですよ」と祝福。並みいるライバルをおさえて王者に輝いた勝因について語り始めた。
ウエストランドといえば、様々な分野に対する偏見や毒舌を盛り込んだ漫才が好評で、今大会でもその魅力が爆発。「アイドルは嘘をついて売れようとしてる」「お笑いを分析したがる奴は痛い」「M‐1のアナザーストーリーがウザい。母親に泣きながら優勝報告とかすんなよ」などの毒を吐くと、顔を下に向けて笑っている審査員が散見された。
太田はこれに「M‐1茶化してたじゃん。M‐1の大会が持ってるジレンマ、芸人全員思ってるけど、言わないでいるだけじゃん。(審査員は)リアクションを取らざるを得ない。漫才に全員が参加しちゃった。そこがいちばん感動して。芸人ってすげぇなって。そこがゾクゾクした。井口は全員を巻き込んだ。だから勝ったと思う」と指摘。続けて、「審査員を含めて、今田も言ってたけど、『下向かないで』ってなるじゃない? あれ全部がウエストランドの漫才の演出。そこがすげぇなって思って。あそこに感動したの」と、司会・今田耕司を困惑させるほどの異様な空気になったのも、2人の狙いだと分析している。
「同じく、M‐1司会の上戸彩も、ウエストランドの過激な毒舌芸を目の当たりにし、『あんなに人をディスれるもんなんですね』と驚きながらも、『もっと聞きたくなる』とコメント。太田の指摘する通り、その場の全員を“共犯者”として巻き込むことに成功していました」(芸能ライター)
“人を傷付ける笑い”が敬遠される風潮にあって、完全に時代に逆行する漫才でM‐1王者となったウエストランド。今後は、どんな顔で「アナザーストーリー」に出演するのかにも注目が集まりそうだ。