二宮和也主演映画「ラーゲリより愛を込めて」が大好評だ。第二次世界大戦終了後、およそ60万人の日本人がシベリアの強制収容所・ラーゲリに抑留された実話をもとにした同作で、二宮は実在した「山本幡男」を熱演。映画の公開1カ月前から大々的なPRを展開していたことも興行成績につながったようだ。
メガホンを取った瀬々敬久監督は、2020年に二宮にオファーを出していた。ところが、同年末で嵐が活動を休止することが決まっていたため、二宮は「今年は嵐一色に染めたい」と返事を留保。監督は1年待つ約束をして、21年に撮影、22年にロードショーとなった。
オファーを受けたあと、二宮はある真実との符合に驚愕した。祖父がシベリアの抑留者だったのだ。芸能記者は言う。
「おじいさまは4年ほど抑留され、昭和24年の冬に帰ってきたそうです。家族から実際に聞いてはいたが、おじいさまがあまり語りたくない人だったので、掘り下げて聞くことがないまま、この世を去っています。この作品の話が来た時は、縁深いものと参加する意義を感じたらしいです」
撮影現場では、共演者の安田顕に祖父の写真を見せている。松坂桃李は、現場で初めて聞いて驚いたという。
嵐といえば、櫻井翔も祖父と自身の現況が1本の線でつながっていた。
祖父の桜井三男氏は、ジャーナリストで実業家。「上毛新聞」の専務にして論説委員長で、専務取締役編集局長まで務めた人物。息子の桜井俊氏の長男が櫻井翔。エリートの血筋である櫻井も慶應義塾幼稚舎から大学まで通ったインテリジャニーズの先駆者。06年に報道番組「NEWS ZERO」(日本テレビ系/現「news zero」)の月曜キャスターに就任して以降、今なお現地取材も辞さない姿勢で取り組んでいる。
15年に放送された「戦後70年特別番組 櫻井翔&池上彰 教科書で学べない戦争」(日本テレビ系)では、パプアニューギニアを取材で訪れた。その際、太平洋戦争で命を落とした日本兵の遺骨を収集。その時、三男さんも以前この地を遺骨収集のために訪れていたことを知った。
「パプアニューギニアで無念の死を遂げた日本兵の思いを知るため、決して楽ではない交通網のなか海を渡っていた三男さん。『上毛新聞』は地方紙ですが、群馬県内ではNO.1の新聞。そのなかでジャーナリスト魂を見せていたのは、孫がキャスターとしてしっかり経験を積んでいる現況と相似しています」(前出・芸能記者)
嵐のメンバー5人のうち2人が、先祖が歩んだ道を歩いていたのだ。
(北村ともこ)