「俺を撮るな!」「シャーロック」「イミテーション・ゲーム」で日本でも人気俳優となったベネディクト・カンバーバッチが8日、主演舞台「ハムレット」の上演中にファンの撮影に「演技が困難になった」と、芝居を一時中断するハプニングがあった。
ロンドンのウエスト・エンドでシェイクスピアのこの名作に出演中のカンバーバッチだが、その中での有名なセリフ「トゥ・ビー・オア・ノット・トゥ・ビー(生きるべきか、死ぬべきか)」を言っている途中に観客からフラッシュが浴びせられたため、事態は起きた。
上演後、彼はバービカン・シアター外で出待ちしていたファンたちに「カメラが見えたし、観客席から(撮影中に光る)赤いライトも見えたよ‥‥それで今夜はやり直すことになったんだ。右手の3列目の席に赤い光が見えたけど、すごく悔しさを感じているよ」「ああいう経験することほど、ステージに立っている僕に非協力的なことはないんだ。それに記憶に残るライブのパフォーマンスを届けようと思っているのに、それが出来なくなってしまうからね」と、観客たちにステージでの自分を撮影しないように呼びかけた。
「最近はライブなどでも撮影をOKにして、それをネットや動画サイトで広めてもらおうと企てるアーティストは世界的に増えました。日本のミュージシャンなどはその方法でファンを“家族”扱いして好感度を上げている人たちも多い。しかし弊害はあって、写真を撮らせないアーティストは“何様だ”と批判されてしまうこともある。ようは観客の勘違いです。とくに芝居ではそれは厳しい。イギリスの伝統的なシェークスピアの舞台ではなおさらだと思います」(エンタメ誌編集者)
今後は上演中に撮影機器を使用した場合、プロデューサー陣が厳しく取り締まるつもりであると忠告しており、生の自分を見ることに集中するようにソーシャルメディア上で広めてほしいと、カンバーバッチはファンたちに呼びかけた。
「だれかを非難しているんではなく、世間に広めてほしいとお願いしているだけです」とコメントしている。