今クールのドラマは“珍妙な設定”が多いと指摘されている。
地上波ドラマの中で最も歴史が長いTBS日曜劇場で放送中の妻夫木聡主演「Get Ready!」は、闇医者が有名病院の医者から余命宣告を受けた重病者を高額報酬と引き換えに手術を施して助けるというのが大筋。仮面を着けた黒装束の不審人物が急に目の前に現れても、誰も驚かずに会話する世界観は“珍妙”というほかない。
また、「逃げるは恥だが役に立つ」「義母と娘のブルース」「恋はつづくよどこまでも」など、現在も根強いファンがいる良作を生んだTBS火曜ドラマ。現在は恋愛ドラマの旗手と呼ばれる北川悦吏子氏脚本の「夕暮れに、手をつなぐ」が放送中だが、主演の広瀬すずは「九州の片田舎から東京に出てきた女の子」として、自身のことを「おい」と呼び、初回では公園の噴水で顔を洗うという珍妙な行動をしたことで、ネット上では「広瀬がかわいそう」「九州をバカにしている」との声が噴出した。
ジャニーズタレントが主演することが多い日本テレビ土曜ドラマでは、櫻井翔主演による「大病院占拠」が話題沸騰。鬼の仮面をかぶった謎の武装集団に大病院が占拠され、休職中の刑事が人質救出のために立ち向かうストーリーだが、櫻井のアクションシーンはどうにも動きが鈍いうえに、病院の3階から落下してもかすり傷だけですぐに走れるという不死身ぶり。シリアスなサスペンスドラマとは思えない演出が際立っている。
「この3つのドラマはどれも“仮面をかぶった人物”が登場するため、より一層リアリティを感じることが困難になっている気がします。『夕暮れに、手をつなぐ』では、増田貴久が仮面を着けた売れっ子ミュージシャン・マンボウを演じていますが、おそらくこのキャラは、仮面で目元を隠している人気ミュージシャン・yamaにインスパイアされたのでしょう。『Get Ready!』では主役の妻夫木だけでなく、藤原竜也、松下奈緒、日向亘というメインキャスト全員が仮面に黒装束という姿。特撮ドラマのようだと指摘する声があるのも納得です。『大病院占拠』では4話から登場した紫鬼を含め“11人の鬼”をそれぞれ誰が演じているか、公式インスタグラムで演者の性別、年代、星座を公表。考察のヒントとなっています」(女性誌記者)
新型コロナウイルス感染予防のため、マスクをする代わりに仮面をかぶったキャラクターをわざわざ作ったのだろうか。