失恋や婚活の失敗、不貞……。恋愛は必ずうまくいくとは限りません。先が見えないからこそ不安にもなりますし、恋がうまくいかなくて落ち込むことは誰にでもあることです。でも、何ヵ月もふさぎ込んでいるようなら、それは恋愛が原因の“うつ”かもしれません。
厚生労働省では、うつ病を「気分障害のひとつ。1日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性がある」としています。
発症の原因は定かではないとされていますが、多くの心理専門家たちは、心や身体の何らかのストレスによるものと述べています。となると、恋愛が原因でなりやすい人もいるということです。では、“恋愛うつ”を事前に防ぐにはどうすればよいのでしょうか?
■ネガティブな癖をなくす
恋愛うつの人は、ネガティブな発言が目立ちます。普段から「でも」「どうせ」などのネガティブワードを使わないようにするだけで、暗い気持ちから抜け出しやすくなります。やり方は簡単で、自分で自分に「この言葉を使わない」と約束すればいいだけです。もちろん、すぐには変われません。日々の会話の中で、ついネガティブな言葉を使ってしまったら、その都度「ああ、使っちゃったな。今度は気を付けよう」と意識すればOK。意識することが最初のステップです。そこから、少しずつ変わっていけるのです。
■完璧主義にならない
恋愛うつになる人って、完璧主義の人が多いんですよね。自分にとっての恋愛の理想像があり、それと少しでも違うことが起きてしまうと、悲しくて苦しくてたまらなくなる。最初に100点満点を目指してしまうから、少しでも欠けたときに相手や自分を責めてしまうのです。できなかったことではなく、できたことを数えるように考え方を変えていきましょう。これも練習すれば少しずつできるようになりますよ。
■早寝早起きとバランスの取れた食生活を心がける
「なかなか早くは眠れない」という人は、一度無理して超早起きしてみてください。そうすれば夜はちゃんと眠くなって眠れますよ。食生活についてはいろんなこだわり健康法がありますが、あまり神経質にならないことが大事で、何でもまんべんなく食べること。1日3食にこだわらず、ライフスタイルに合わせたやり方がいいですね。そして、何かひとつだけ食べ続けるダイエットや、流行だけを鵜呑みにした健康法はやめることです。
■適度な運動で心も活性化する
運動によって幸せホルモンが分泌されるともいわれています。とくに、筋トレをしてから有酸素運動をすると効果的。ただ、あまりこだわらず、やれることをやれるときにやるくらいでいいです。例えば、パソコンワークの人は1時間に一度は立って伸びをしたり肩をクルリと回したりする、目をキョロキョロさせて目の運動をする、筋トレできるならすればいいし無理なら散歩やショッピングの機会を増やす、家でYouTubeのダンス動画を観ながら真似してみる、駅までの自転車を徒歩に変えてみる……どれでも気軽にできることなので、ぜひ試してみて。
いかがでしたか? やはり、肝心なのは「何が起きても動揺しにくく、健やかに過ごせるメンタル作りを普段からしていく」こと。メンタル作りというと面倒そうですが、実は超普通の暮らし方をすればいいだけなんです。どれも難しいことは何もないですし、まずはできることをひとつでも始めてみてはいかがでしょうか。
安藤房子(あんどうふさこ) 作家・恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テスト作成やメディアでMCとしても活躍中。食育インストラクターやパンシェルジュ(パンの資格)もカウンセリングに生かしている。