幸せな恋愛ができない……。それは、自分で自分をよく分かっていないから起きてしまいます。分からないままなんとなく誰かと付き合うからうまくいかない。あるいは、分からないままだからどんな人と付き合ったらいいか分からず結局ひとりのまま……なのです。
幸せな恋愛をするには、まずは自分を知ることです。自分を知るとは、「自分がどんな未来を望んでいるかを明確にする」ということです。自分のことなのに、なぜかここを深掘りしていない人がとても多いです。
あなたは、結婚したらどんなところのどんな家に住みたいですか? マンションですか? 戸建てですか? そこに、お互いの、あるいはどちらかの両親は同居していますか? 結婚しても仕事を続けますか? 他には、出産をするかどうかもありますね。出産したら家事をどうしていくかというのは大きな問題でもあります。こうしてみるといろいろですね。
このように、自分がどう生きていきたいのかを考えてみてください。はっきりじゃなくてもいいです。なんとなくとか、ぼんやりと「こっちの方向かな」とか。自分が人生でどっちに舵を切るか、切りたいかをザックリでいいので考えてみてくださいね。するとね。おのずと、気が合う人が分かってきませんか?
出産して仕事を続けたいなら、同じビジョンを持っている男性を探してみる。逆に、専業主婦になりたいならそういう男性を探す。ちゃんと自分を知っていれば、相手選びで迷いません。「年収は高いほうがいいけど、それより相性のよさね」とか、「いい人だと思うけど、子供が欲しくないなら結婚相手じゃないわね」とか、最初の段階で“自分に合う相手”を探しやすくなるんです。
少しだけ計画的に考えて動くだけで、自分に合う人と出会えるようになります。そして、その後に大切なことがあります。相手との関係に、完璧なストーリーを求めないでくださいね。どんなときも、誰にとっても、理想と現実は少し違うように進みます。そんなときは「こんな現実も楽しいわね」と、大らかにかまえることです。本当に大切な方向性を見失っていなければ、細かなことは目をつぶることです。あなたが軸にしている大切な部分が「違う」ときには、目を開いて、行動を起こしましょう。彼に意見をするとか、別れて違う人と付き合うとか、そういう行動をです。
でも、軸以外のことには、目をつぶることも大切です。誰でも100%気が合うなんてことはない。だから、許し合って、譲り合って、歩み寄って……恋は愛に昇華していくのではないでしょうか。
安藤房子(あんどうふさこ) 作家・恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テスト作成やメディアでMCとしても活躍中。