NHKは4月27日、25年放送予定の大河ドラマについて、タイトルは「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(つたじゅうえいがのゆめばなし)で、横浜流星が主演を務めることを発表した。
物語の時代は天下泰平、文化隆盛の江戸時代中期。横浜が演じるのは、親なし、金なし、画才なしのないない尽くしの生まれから“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快男児・蔦屋重三郎だ。日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築いた“蔦重”こと蔦屋重三郎の波瀾万丈の生涯を、笑いと涙と謎に満ちた“痛快”エンタメドラマとして描く。そして、脚本は同局の朝ドラ「ごちそうさん」や大河ドラマ「おんな城主 直虎」などを手掛けた森下佳子氏。男女逆転の設定が話題となったばかりの「大奥」の脚本家でもあるだけに期待が高まる。
これまでにない題材に話題の脚本家によるオリジナル脚本、そして飛ぶ鳥を落とす勢いの横浜が主演を務めるとあって万全の布陣とも言えそうだが、ネット上の反応は「朝ドラとかスペシャル番組のほうが合いそう。1年間かけるほどのドラマ性があるのかな…」「横浜流星めちゃくちゃ運動神経いいから、剣豪とかの役で見たかったなぁ。ちょっともったいない気がしちゃう」「鎌倉、戦国と来て、次は幕末あたりかと思ってた。別にいいんだけど、動乱期を描いてくれたほうが一年ものの大河としては見応えがあるんだよね」など期待感がイマイチという声が目立つ。
「大河ドラマで人気なのは、やはり合戦シーンがある戦国時代や魅力的な歴史的人物が入り乱れる幕末です。今作の舞台である江戸時代は戦のない平和な時代。いかに絵づら的に視聴者を惹きつけられるかどうかがポイントでしょう。また、蔦屋重三郎というかなり一般には知名度が低い人物を取り上げたのも気になります。19年の『いだてん~東京オリムピック噺~』の金栗四三と田畑政治、15年の『花燃ゆ』の杉文など、知名度が低い人物を主人公に据えた作品はいずれも視聴率的に苦戦しています。ただ、戦国時代の伝説的貿易商人・呂宋助左衛門を扱った1978年の『黄金の日日』のようにヒットした作品もありますが、あれは作家・城山三郎氏の原作があったのも大きい。今回のようなオリジナル脚本の場合、放送開始までに蔦屋重三郎の知名度をできるだけ上げておきたいところ。もちろんNHK側もいろいろと準備はしているはずですが…」(芸能記者)
ドラマの舞台となる時代とは違い、早くも波乱含みだ。
(柏原廉)