どうやら女の勘は当たっていたようだ。
5月11日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第34回では、自分の失恋を悟ったヒロシ(小池徹平)が、アキ(能年玲奈)宛てに書いたラブレターを自宅のストーブで燃やす姿が描かれた。そこでチラっと映し出された文面に、視聴者がキモを冷やしていたという。
アキに恋心を抱くも、自分で直接ラブレターを渡すことにできないヘタレのヒロシ。妹のユイ(橋本愛)がアキの親友なのをいいことに、ラブレターを渡してもらうように託していた。
第28回でユイは「兄貴から渡せって頼まれた」と、一度はラブレターをアキに見せていた。しかし「こんなの読まなくていいから!」と、駅のゴミ箱に捨てていたのである。
「宙に浮いてしまったラブレターはどうなったのか。ヒロシはアキの母親・春子(小泉今日子)から、アキが高校の先輩である種市(福士蒼汰)を好きだと知らされることに。恋敗れたことを知ったヒロシは今回、自らの恋心とともにラブレターを焼き捨てたのでした」(女性誌ライター)
出せなかったラブレターを捨ててしまう。若者の恋愛模様にはよくある話だ。だが実際のところ、このラブレターがアキの手に渡らなかったことは、アキにとってもヒロシにとっても正解だったのかもしれない。
ヒロシがラブレターを焼いている場面では、文面が画面に映し出されていた。その身の毛もよだつような内容に、視聴者は<キモすぎる!>と背筋を凍らせていたというのである。
ラブレターの序盤には「しつこいと思われるのを覚悟で今、この手紙を書いています」と前置き。自分が相手に受け入れられていないであろうことを自覚しつつ、恋心は伝えたいというストーカーさながらの姿勢が丸出しだ。
次の段落では「アキちゃんの純粋でまっすぐな姿に、僕は心を動かされました」との思いが。ここはまだアキを褒めているぶんマシだが、すぐに「アキちゃんの近くにいるだけで気持ちが…」と続く箇所には、思わず身震いする視聴者もいたことだろう。
「最悪なのは第三段落です。自分自身は夢も見つけられないと説明しつつ、ヒロシは自らを『本当にダメな人間だと思う』と断罪。アキのことを見ていれば『暗い自分が明るくなれる気がします』と綴っています。こんな内省的な自己批判を恋の理由にされたところで、どこの誰が喜ぶというのでしょうか?」(前出・女性誌ライター)
こんな文面を見てしまえば、妹のユイがヒロシから託されたラブレターを気持ち悪がって捨てていたのも納得だろう。兄の人柄を知る妹としては中身を読まずとも、どうせろくでもない内容だと分かっていたようだ。
この場面、ラブレターを燃やすところだけを映し出し、文面までは視聴者に見せなくても成立していたはず。それをあえてキモすぎる内容まで明かしてみせたことで、ヒロシが今後も様々な意味で活躍する予感を抱かせたのではないだろうか。