子役での大成功、12歳でファッションブランドを立ち上げるなど、アメリカで「最も裕福な20代」に選ばれたこともある、超セレブ双子姉妹として有名なメアリー=ケイトとアシュレーの「オルセン姉妹」が“ドケチ”のレッテルを貼られる危機にある。
姉妹を訴えたのは、彼女たちが経営するプロダクション「デュアルスター社」の複数のインターンたち。労働への対価が支払われていない「賃金不払い」だとして、米マンハッタン最高裁判所に訴えを起こしたのだ。
元デザイン・インターンをしていた原告側代表のシャヒスタ・ララニさんは、姉妹のブランドである「ザ・ロウ」のオフィスで会ったオルセン姉妹はよい印象であったとし、諸悪の根源は、自身が2012年にインターンをしていた際の直属のヘッド・テクニカル・デザイナーだったと新聞紙面で語っている。
「メアリー=ケイトとアシュレーは誰に対しても意地悪だったことはなかったです。彼女たちは経営者らしい振る舞いでしたが、彼女(ヘッド・テクニカル・デザイナー)はとても要求が多かった。私は1人で3人のインターン分の仕事をしていました。一日中、一晩中、彼女と話していました。あまりに過酷に働かせたんです」
集団代表訴訟という形をとる本件には、推定約40人の現役と元インターンが名を連ねる可能性があるという。
週50時間もの労働を強いられていたという元インターンによれば、スプレッドシートへのデータ入力、テクニカル書類の作成、社員たちの個人的な雑用係、生地の整理、コピー、裁縫、パターン裁断、その他の関連する仕事などの責任が課されていたという。
さらに「我々が何もしていなかった際には『裏にあるボタンをカラーコードの順に並べて』という感じで、たった15分の休みさえありませんでした。とても意地悪で、泣いている他のインターンもいました」と主張を続けている。
週50時間の労働なら、働き者の日本人にとっては「さほど多くない」と錯覚してしまいそうだが、彼女たちは社員ではなくインターンだ。その証拠に「まるで社員のようでした。給与がないことを除いては」と被害者たちは口を揃えている。
しかし、たとえ一人の上司の人間性に問題があれど、賃金不払いの責任はオルセン姉妹にあることは間違いない。人の好いセレブだからといって、末端の人間の事情まで注意を払いきれてないことは非常に多い。デュアルスター社はこの訴えを「認識していなかった」とコメントしているが、はたしてアメリカで最も裕福な20代姉妹(現在は29歳)がどう解決するのだろうか。ちなみに、オルセン姉妹の3つ下の妹は女優のエリザベス・オルセン。昨年はハリウッド版「ゴジラ」、最近では「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」に出演している売れっ子だ。