5月25日に長野県中野市で2人の女性が刺殺され、2人の警官が猟銃で殺害された事件は、日本中を震撼させた。今件で逮捕された青木政憲容疑者が、銃4丁の所持許可を得ていたことにも衝撃が走った。
世界的にも銃規制については厳しいといわれている日本。銃器の絡む事件は、そのほとんどが暴力団関係で、一般的ではないと思われている。だが、今回は銃器保持が許可された人によって起こされたため、そのショックは計り知れない。
日本では、散弾銃、サボット銃、ライフル銃の3種類のついては、有害鳥獣駆除や標的射撃(クレー射撃)の用途に限り、民間人でも合法的に所持できる。しかし、その申請には“正当な理由”のもと、公安委員会の許可を受けることが必須となる。
居住マンションの同じ階にライフル銃の保持者がいたという人が、こう語る。
「昨年のことです。ある朝突然、所轄の警察官が自宅にやってきました。訪問目的は“同じ階にライフル銃を持っている人がいるので、その人について聞きたい”というものでした。所持しているのは中年男性だと聞いてびっくり。自分が引越しの挨拶に行った時、その部屋には大学生くらいの女性が1人で暮らしていたからです。しかも、彼女のところには、複数の男性が出入りをしていたし、管理がズサンなら、誰かが持ち出すこともあり得ないことではないので、ゾッとしました。結局、怖いので引っ越しました」
警察庁などによると、2022年の猟銃と空気銃の許可所持者は8万6499人。許可丁数は猟銃が15万728丁、空気銃が2万3405丁。この現実を忘れてはならない。