市川猿之助が起こした一家心中騒動は、両親が亡くなり、猿之助だけが命を繋ぐ形となったが、今も各界に様々な波紋を呼んでいる。そんな中、関係者の「決断のリミット」が迫っているのが、猿之助が出演している6月16日公開の映画「劇場版 緊急取調室 THE FINAL」だ。
「この作品で、猿之助は、主演・天海祐希演じる刑事に相対する総理大臣役で出演。取調室で追いつめられる場面が最大の見どころです。敵役として主役に準じる存在なので、代役を立てての撮り直しも出演シーンのカットも難しいようです。かといって公開に踏み切ったとしても猿之助はリアルに事情聴取された身。すでに報道各社は殺人、同意殺人、「自死ほう助」、「自死教唆」などのいずれかで逮捕される可能性を報じており、猿之助が映画公開中に逮捕となれば、前代未聞の事態です。かといって、公開しなければ、その損害額は一部報道では5億円以上とも言われています」(芸能記者)
ネット上では「俳優ほか、たくさんの人がものすごく頑張って、お金と時間と労力を費やして作ったものが公開されないのはあまりにも気の毒」「やったら大ヒットだからやると思う。出演者が宣伝しなくても番宣状態だし、困ったふりしてるだけかも…」「映画に関しては、加害者が主演でもない限り公開してもいいと思うけどね。見たくない人は見なければいいし、損害も少なくて済む」など公開を望む声が多いが…。
「観たい人が自らの意思で金を払って観に行く映画は、地上波ドラマのようにスポンサーの顔色をうかがう必要がなく、トラブルを起こした人間が出演していたとしても公開しやすいというのが昨今の一般的な認識です。実際、俳優の伊勢谷友介が2020年に法律違反の薬物を巡る取締法違反の疑いで逮捕された際は出演映画の『るろうに剣心 最終章 The Final』『るろうに剣心 最終章 The Beginning』、『とんかつDJアゲ太郎』『十二単を着た悪魔』などの公開が危ぶまれましたが、最終的にすべて公開されています。特に『アゲ太郎』と『十二単』は、伊勢谷とともに出演していた俳優の伊藤健太郎が公開直前で交通人身事故を起こし、呪われた作品とまで言われたものです。一方、22年に性加害を報じられた映画監督・榊英雄氏の作品『蜜月』はすぐに公開中止が決定。公開約2週間前のタイミングでした。その後公開される予定だった『ハザードランプ』もお蔵入りとなっていて、公開するかどうかはその時の世間の声や、やってしまったことの重大さ次第とも言えそうです。その視点で考えると、猿之助が逮捕となればお蔵入りは必至でしょうが…」(前出・芸能記者)
公開か延期か、はたまた中止か。その前に“逮捕”はあるのか。もはや、決断に待ったなしの状況だ。
(柏原廉)