伊藤沙莉、伝説の初出演ドラマの「北島マヤになる!」な子役演技の秘密を回顧

 6月30日公開の映画「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」では恋人役に竹野内豊、7月4日スタートのドラマ「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(テレビ朝日系)では上司役に織田裕二という主役級の俳優を従えて主演を務める伊藤沙莉。

 どんなキャラクターを演じてもリアリティにあふれ、見る者を魅了する表現力は、ドラマデビューした2003年放送の高岡早紀主演ドラマ「14ヶ月~妻が子供に還っていく~」(日本テレビ系)の頃からのもの。当時9歳の伊藤が演じたナツキは、若返りの薬を飲んでしまった36歳の女性科学者で、恋をする度にどんどん若返っていった姿という役どころだった。

 20年前の当時はまだ、ネット上で感想を交わしながらドラマ視聴するという、いわゆる“ながら見”をする人はごくわずか。それでも当時、2ちゃんねるの実況スレでチャットのように会話しながらドラマ視聴していた人たちがこぞって書き込んだのが「誰だこの子役は!」「すげー!」「すごすぎる!」「大きくなったら北島マヤになるぞ!」といった驚きの言葉だったのだ。今でいう“トンデモ設定”のドラマなのに「切ない愛のストーリー」として現在もドラマ好きに語り継がれているのは、伊藤の演技力が大きく作用していることは間違いない。

 6月17日に放送された「王様のブランチ」(TBS系)の人気コーナー「買い物の達人」に出演した伊藤は、この伝説のドラマに出演していた頃について言及。コーナー進行役の松元絵里花から「その頃の役作りっていうのはしてたんですか?」と質問されると「全然!(当時9歳なのに36歳の役作りは)やりようがないから。『若返るってことは決して幸福なことじゃない』とか『人生って尊いものよ』とか、そういうセリフが多くって。実感もないし、ただ言ってた感じですかねぇ」と振り返った。

「デビュー当時の伊藤がネット上で大反響となったのは、そこらへんにいそうな子供の容姿なのに、ハスキーな声で大人びた口調で人生格言のようなセリフを言っても、まったく違和感がなかったことに尽きるでしょう。芦田愛菜や寺田心のように子役デビュー当時から芸能人らしい容姿をしていたわけではないんです。このドラマでは、高岡演じる35歳のフリーキャスター・裕子もまたどんどん若返っていき、17歳時を蒼井優、9歳時を菅野莉央、4歳時を工藤あかりが好演しており、誰もがかわいらしく演技にも説得力があった。しかし、普通の子供にしか見えない伊藤に多くの視聴者が引き込まれたんです」(テレビ誌ライター)

 9月には映画「ミステリと言う勿れ」でもドラマと同じ風呂光聖子を演じる伊藤。ドラマでは風呂光がヒロインだったが、映画のヒロイン・狩集汐路は、研音から小栗旬が社長に就任したトライストーン・エンタテイメントに移籍した原菜乃華が演じるので、ドラマとは違った味わいが楽しめそうだ。

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