英タイタニック号の残骸探索ツアー中に水圧で押し潰され、5人の犠牲者が出た米潜水艇タイタン号。6月24日に放送された、TBSの安住紳一郎アナがキャスターを務める同局の「新・情報7days ニュースキャスター」では、同事故の詳細を伝えるとともに、同日に映画「タイタニック」を放送したフジテレビへの“皮肉”にも解釈できるナレーションがあったと話題になっている。
富裕層のためのツーリズムとして、深海へと向かったタイタン号だったが、6月18日にその所在がわからなくなったと報じられると、同22日にはその破片が海底で発見された。
世界中が注視した悲劇のニュースとなったが、フジテレビでは、6月24日と7月1日に2週にわたって映画「タイタニック」を放送することを、5月時点ですでに発表。劇中では、海底に沈むタイタニック号を潜水艇で探査するという、今回の事故と酷似したシーンから始まるが、放送は中止せず、本編開始前に「(潜水艇シーンに)ご懸念のある方は、視聴をお控えください」とのテロップで注意喚起を行なっていた。
「その“強行放送”にチクリと刺したのがTBSの『ニュースキャスター』です。番組では、今回の悲劇の経緯や、実際にタイタン号のツアーに誘われたこともあるという、映画『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督のインタビュー映像も紹介。タイタン号について、以前より安全性に関する懸念の声が集まっていたと伝えると、最後は番組ナレーションから『タイタニック同様、悲劇の結末を迎えたタイタン。今、映画を観るのは辛い』との言葉が流されました。これが、同じ日の21時から23時まで同作の前編を放送していたフジへの皮肉と見る向きがあり、ネットには『嫌味だろ』『辛い人は見なければいいだけの話』『もともと放送が決まっていたものに対して皮肉を言うのはどうなんだろね?』『わざわざナレーションで言うことじゃない』などの声がズラリ。予定通り放送したフジテレビを非難する人はあまりいませんでしたね」(テレビ誌ライター)
一部放送時間が被るだけに、「ニュースキャスター」からすると、結果的に話題性を高める格好となった裏番組にひと言物申したかったのかもしれない?
(木村慎吾)