謎が謎を呼ぶストーリー展開で回を追うごとに、ネット上を賑わせている日曜劇場「VIVANT」(TBS系)。同作を制作するTBSも反響の大きさに喜んでいると思いきや、実はそうでもないことを8月8日、ニュースサイト「日刊ゲンダイDIGITAL」が報じた。
「記事によると、『VIVANT』はTBS局内での評価が二分どころかバッシングの対象なんだとか。理由は、制作費とキャスティング。有料動画配信のU-NEXTでも配信されることで莫大な制作費がかけられ、その額『1話1億円』らしいです。配役も主演の堺雅人に、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、小日向文世、檀れい、二宮和也、役所広司らと豪華そのもの。にもかかわらず、視聴率は振るわないというんですね」(テレビ誌ライター)
確かに、初回の世帯平均視聴率は11.5%(個人7.4%)、第2話は世帯11.9%(個人7.2%)、第3話は世帯13.8%(個人8.9%)。計3話の世帯平均は12.4%(個人7.8%)で、8月6日放送の第4話では前週から0.4ポイント下げ、世帯13.4%に落ち込んでしまった。
「この数字は同じ枠の人気ドラマ『半沢直樹』の半分に届かず、前クールの『ラストマン』の初回3話の世帯平均13.3%(個人8%)にも届いてません。『ラストマン』は1話あたり、4000万弱の予算だったためコストを考えると『ラストマン』の圧勝とも記事は指摘しています」(前出・テレビ誌ライター)
さらに堺の演技が「何を演じても堺雅人」、ドラマの中身は韓国ドラマやハリウッドと比較すると物語構成にアラが目立つ、それらが視聴率に如実に表れているなど評価は厳しいとも…。
しかし、ネット上の視聴者からは、同記事について、「原作ありきのドラマばっかな中、これはオリジナル脚本で骨太のドラマでめちゃくちゃ面白く拝見してます!」「面白いと思って拝見してますが、TVerで見ている自分は視聴率にカウントされていない」「いやいや、とても面白いですよ。毎回録画して観てます」など反論の声が圧倒的だ。
「ほかにも『リアルタイムの視聴率は当てにならない』と言った声も多く見られます。実際に無料動画配信サービス『TVer』では、人気の指標となる“お気に入り登録数”が他のドラマでは数万から数十万がほとんどなのに対して、『VIVANT』は133万超と圧倒しています。『ラストマン』は100万弱だったので、今作は『TVer』で観ている人がより多いことが考えられます。さらに『TVer』は、22年の広告収入が前年比で200%以上の伸びを記録するなど、いまやスポンサーも注目するメディア。今後も成長していくと考えられ、もはや視聴率だけでは人気のバロメーターとはならなくなりつつあります」(芸能記者)
高齢者が視聴している番組の世帯視聴率が高くなる傾向もあるといわれ、スポンサーも世帯視聴率を重視しなくなっているそうだが、本当の人気を把握するためには視聴率とネット上の声、どちらの比重が高く見るべきなのだろうか。
(柏原廉)