こんな演技もやらせちゃうの? お茶の間は驚きと笑いに包まれていたようだ。
8月22日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第122回では、ヒロイン・アキ(能年玲奈)のマネージャーを務める水口(松田龍平)が、アキと交際している種市先輩(福士蒼汰)に詰め寄る場面が。
何が何でも種市にアキのことを諦めてもらいたい水口。普段のとぼけた口調とは異なり、やたらシリアスな口ぶりで種市に迫っていた水口だが、ここで彼があまりにも意外なセリフを口にしていたのである。
「交際が発覚したらアキの出演CMが打ち切られ、違約金を払わせられると種市を脅す水口。『あ~あ、大損害だぜ一般男性』と迫った水口はおもむろに『い~っぱんだ~んせい』とトボけた口調を繰り出しました。続けてなぜか『ルパ~ンさんせ~い』と茶化し始め、ついには『い~っぱんだ~んせい』と繰り返すところで自分自身が噴き出していたのです」(テレビ誌ライター)
あのクールな松田龍平に、こんなセリフを言わせちゃう!? そう驚いた視聴者も少なくなかったことだろう。浮世離れしたキャラクターが持ち味の松田は、この「あまちゃん」でも大勢の女性アイドルに囲まれながら淡々と自分の仕事をこなすマネージャー役を好演。らしさを垣間見せていたものだ。
ところが今回の種市に迫るシーンでは、一転してシリアスな演技を披露。視聴者が<あまり松田龍平っぽくないな>と感じるさなか、いきなりのおちゃらけ演技で自分のキャラが完全に崩壊していたのだった。
「ルパンのものまねをする松田に視聴者は《こんなの松田龍平じゃない!》と思いつつも、爆笑することに。実はこの場面、無頼鮨大将役のピエール瀧が松田に対して、ちゃんとルパンのものまねをしたほうがいいとアドバイスしていたそうです。その助言を律義に守ってルパンの声真似をするも、自分とかけ離れ過ぎたキャラに思わず笑ってしまった姿もまた、見どころの一つではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
水口が自分のセリフに噴き出してしまったシーンも、他のドラマだったら撮り直しになっていそうなところ。それが「あまちゃん」ではオーケーカットとして採用してしまうのだから、朝ドラとは思えないエンターテイメント性の高さには驚きつつ感心するところだろう。
シリアスな場面にもあえて笑いを挟んでくることの多い本作。第122回のラストも大手術を終えた夏ばっぱ(宮本信子)が集中治療室のベッドから、娘の春子(小泉今日子)らに舌を出してアピールする姿が描かれた。単なる感動の涙に終わらせない「あまちゃん」に、視聴者はますます魅入られているに違いない。