熱帯夜が続いていますが、夜はぐっすり眠れていますか? 暑くてなかなか寝付けず、睡眠不足になっていたり日中に眠気が来て睡眠の質が落ちていたりしたら要注意! エアコンをつけっぱなしにして寝たいけど、「電気代が不安でつけられない……」という人もいるかもしれませんね。そこで、寝苦しい夜の快眠術や睡眠の質を上げる方法を、睡眠の専門家の見解から紹介していきましょう。
■専門家は“エアコンつけっぱなし寝”を推奨!?
ユーグレナ社が実施した「寝づらい夏の夜に工夫していること」に関するアンケート調査によると、「エアコンをつけたまま寝る」人が1,000人中537人と、半数以上もいたそうです。そもそも、エアコンをつけっぱなしにして寝ることは、快眠の観点から有効なのでしょうか?
睡眠栄養指導士協会の代表理事で睡眠栄養指導士でもある河野記代子さんは、「電気代を節約しようとしてエアコンを消して寝てしまうと、睡眠の質が落ちて日中のパフォーマンスが下がります。暑さで目が醒めることを避けるために、エアコンはつけっぱなしにするのがオススメです」と話します。
また、睡眠環境プランナーの三橋美穂さんによると、快眠のためには布団の中の温度を約33度の“快眠温度”にし、湿度は約50%の“快眠湿度”にするのがポイントで、その温度と湿度のコントロールのためには、エアコンの使い方や寝具を工夫するとよいそうです。エアコンについては、「一晩中つけっぱなし」がオススメと話しています。
こうした専門家の声を聞く限り、快眠のためにはエアコンを一晩中つけっぱなしにして、快適な温度と湿度を保つのがよさそうですね。
■電気代が気になる人は温度を上げて「敷きパッド」を活用しよう!
でも、毎晩のようにエアコンをつけっぱなしにして寝ると、どうしても電気代が気になりますよね。三橋さんによると、「どうしても電気代が気になる人は、エアコンの設定温度を28度にして一晩中つけ、通気性が高い敷きパッドを活用するのがオススメ」なんだそう。
敷きパッドを使う理由は、背中がマットレスに密着していると背中が蒸れ、不快感で目が覚めてしまうから。また、横向きで寝て、背中の蒸れを防ぐのもいいそうです。抱き枕を使えば体の圧力が分散されるので、 横向きで長時間眠ることができるとか。
ちなみに、三菱電機が三橋さんと共同で「一晩中つけっぱなしの場合」と「入り切りを繰り返した場合」の積算消費電力量の比較実験を行ったところ、同じ設定温度だと「入り切りを繰り返した場合」のほうが積算消費電力量は若干低くなった一方で、切った後に1.5~2.5℃の室温上昇を確認したそう。三橋さんによると、「入り切りを繰り返した場合では、睡眠中に室温が上昇することにより目が覚め、睡眠の質が低下する可能性がある」とのことでした。
結果的に、エアコンはつけっぱなしのほうがよさそうですね。うまく温度や寝具を調整しながら、エアコンを活用して快眠を目指したいものです。
■食事からも睡眠の質を上げられる!?
ところで前出の河野さんは、「食事で食べるものを選ぶことからも睡眠の質を上げることができる」と話します。
「睡眠に欠かせないホルモンの代表格で“睡眠ホルモン”と呼ばれるセロトニンの8~9割は腸で作られているといわれますので、腸内環境のケアも睡眠の質向上のためには意識すべきポイントです。セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を材料に作られますが、トリプトファンを豊富に摂取しつつ腸内環境を整えることで、メラトニンを安定的に生成できるようになります」とのこと。ぜひとも、次のようなトリプトファンを含む食品を多く摂りたいところです。
●トリプトファンを豊富に含む食品の例
乳製品……牛乳、ヨーグルト、チーズなど/肉類……鶏肉、豚肉など/魚介類……サーモン、マグロ、えびなど/豆類……大豆、納豆、豆腐など/ナッツ類……アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツなど/穀物……玄米、オートミール、大麦など
その他にも、微量栄養素をまんべんなく摂取するという意識が必要ともいいます。
「微量栄養をバランスよく摂取するためには、マルチビタミンサプリメントやトリプトファンの他、微量栄養素、オメガオイルに至るまで59種類の豊富な栄養素を含むユーグレナの飲料やパウダー、ないしはサプリメントの活用がオススメです。とくに、ユーグレナに含まれるパラミロンという食物繊維は、ストレス緩和や睡眠の質向上に直接有効であることが分かっていますし、乳酸菌入りのものを選ぶと、腸内環境作りにもより役立ちます。
トリプトファンは1日に500mg摂取することが推奨されているので、トリプトファンが100gあたり201mg摂れるアーモンドにユーグレナをまぶしたものや、ヨーグルトに甘いユーグレナパウダーをかけるなどして、おやつとして摂取するのもオススメです」(河野さん)
寝苦しい夜はまだまだ続きそう。エアコン、寝具、食事を工夫しながら、快眠を目指しましょう!