10年の時を超えてのコラボに感心する視聴者もいたようだ。
8月29日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第107回では、陸軍の恩田大佐(近藤公園)が帝国大学の植物学教室を訪問。日清戦争の講和条件として清国から割譲された台湾に派遣する調査団の一員に、主人公の万太郎(神木隆之介)が選ばれることとなった。
徳永教授(田中哲司)の研究室に呼ばれた万太郎は、博物館の里中教授(いとうせいこう)がいることにびっくり。里中教授は調査団の人選を任されたことを明かしていた。その場面で、ストーリーに関係ない部分で一部の視聴者が混乱していたという。
「里中教授と恩田大佐は二人とも眼鏡に鼻ひげで、背格好も似ていることから、視聴者の中には『一人二役!?』と驚く声もありました。この二人がそっくりである必然性はなく、明治時代には鼻ひげが威厳を示す記号として一般的だったこともあり、たまたま似てしまっただけ。ただ二人があまりにも似ているので混乱を呼んでいたようです」(テレビ誌ライター)
その前の場面で恩田大佐は料亭の巳佐登で、実業家の岩崎弥之助(皆川猿時)と宴席を囲んでいた。そこには万太郎の妻である寿恵子(浜辺美波)が仲居として働いており、すでに寿恵子と顔見知りの弥之助は同郷の万太郎について訊ねていた。
同じ土佐出身ということで、万太郎のことを気に掛けている様子の弥之助。その縁で恩田大佐も万太郎のことが気になったのだろう。巧みな筋書きには感心するばかりだが、一方では宴席に恩田大佐と弥之助が並ぶ姿に<あまちゃんのようだ>との感想を漏らす視聴者もいたという。
「弥之助を演じる皆川は再放送中の『あまちゃん』に高校教師役で出演。恩田大佐役の近藤は『あまちゃん』に出演していないものの、皆川と同じ劇団・大人計画に所属しているのです。『あまちゃん』は大人計画の劇団員でもある宮藤官九郎が脚本を担当している関係で同劇団の所属俳優が多数出演。そこから10年後の作品で、宮藤とはまったく関係のない『らんまん』でも大人計画の劇団員が共演している姿に、なにかしらの偶然を感じても不思議はありません」(前出・テレビ誌ライター)
大人計画は劇団員のテレビ・映画出演に積極的で、同じ作品に複数の劇団員が出演していることも珍しくない。ただ「あまちゃん」の再放送と「らんまん」を同じ日に観られるいま、作中での“大人計画繋がり”に反応する視聴者がいるのも、無理のないところだろう。