9月5日に東京・ユナイテッドシネマ豊洲で行われた映画「春に散る」の公開後舞台あいさつに、片岡鶴太郎が登場した。片岡は、横浜流星演じる黒木翔吾のサポートを務める佐瀬建三として出演している。
片岡は、かつてWBA世界スーパーフライ級王者の鬼塚勝也のセコンドを務めたことがあり、舞台挨拶では鬼塚が描いたTシャツを着用して登場。そのイラストは、意識が朦朧としながらマウスピースをくわえたボクサーと“TOKYO SHOCK”という言葉が描かれており、かつてマイク・タイソンが、東京ドームで行われた統一世界ヘビー級タイトルマッチでジェームス・ダグラスに10回KO負けを喫した試合を描いている。
片岡は「タイソンが負けた試合、衝撃的な試合でしたね。鉄人タイソンが倒れて、マウスピースを拾った」と感慨深げに語った。
そんな片岡は1988年にボクシングのライセンスを取得。以降鬼塚をはじめ、元WBA世界スーパーフェザー級、ライト級チャンピオン・畑山隆則のセコンドも務め、2016年には鬼塚とともに和気慎吾のセコンドにも付きインドネシア同級王者のワルド・サブとの対決で勝利を導いた経験もある。
もともとお笑い芸人として人気があった片岡がボクシングに挑戦したのは28歳の時。当時は周りからの猛反対にあったという。
「2018年に出演したラジオ番組『東京海上日動 Challenge Stories~人生は、挑戦であふれている~』では、1986年に出演したドラマ『男女7人夏物語』(TBS系)の話題に。当時片岡はぽっちゃり体型だったのですが、役の幅を広げるために体を絞ることを決意。『“男女7人”ではいいけども、その後のオファーは全部これをなぞったような役なんですよ。これは一周したらもう飽きられるから、ホントに役者としてやるんであればこれは一回捨てなきゃいけない』と振り返っていました」(スポーツ紙記者)
しかし「鶴ちゃんはポチャっとしてるから鶴ちゃんで、2年先までスケジュール埋まってるでしょ。あれ、鶴ちゃんで埋まってるのよ」「芸人が腹筋鍛えてどうすんのって言われて」と、周囲からは反対の声が。これに片岡は「2年先はあってもその後のことはわからない。だから僕は、新たな僕の作り方をやらせてください」と反対を押し切ったという。
映画「春に散る」の役は、片岡にとってうってつけの役と言えるだろう。
(窪田史朗)