「マタハラ」とは、マタニティハラスメントの略称のことで、女性労働者が産前産後休業・育児休業などの制度利用を希望したり利用したりすることなどを理由に、同僚や上司から嫌がらせを受けて就業環境を害されることを指します。具体的には、解雇や雇い止め、自主退職の強要などが挙げられます。
「いまの時代にそんなことがまだあるの?」と思いますが、まだまだ多くの職場で行われているというのが実情でもあるようです。そんなマタハラ、事例や対処法などを紹介していきましょう。
■マタハラの事例
マタハラの事例を挙げてみましょう。例えば、妊娠を理由に退職を強要したり、妊娠・出産に対して心ない言葉をかけたり、わざと重いものを持たせたり、残業を強要したりすることなどがあります。また、妊娠出産によって思うように仕事ができず、仕事に穴を開けた責任をとらされたり、いじめを受けたりすることなどもあります。
妊娠していなくても、未婚の女性に対して「今は産むな」などの言葉を高圧的にかけるなどもマタハラとされています。他にも、いわゆる“お局さま”から「流産したら大変だから辞めたほうがいいよ」などと言われるケースや、「子どもが生まれてから職場に挨拶に行ったら代わりの人を雇っていて退職を遠回しに強いられた」というケースもあるようです。
NPO法人マタハラNetによれば、マタハラは4類型に分けられ、昭和の価値観押し付け型、いじめ型、パワハラ型、追い出し型があり、複雑な問題になっているようです。
■マタハラを受けたらどうすればいい?
マタハラを受けたときには、匿名でもOKな厚生労働省の雇用環境・均等部(室)という電話相談窓口があります。また、TECC東京圏雇用労働相談センター、日本労働弁護団ホットラインの他、会社に労働組合がない場合は、個人で加入できるユニオン(合同労働組合)として、女性ユニオン東京があります。
「マタハラ」を受けたら放置せず、しかるべき対処をして状況を改善していきたいものですね。