ドラマ「大奥 シーズン2」(NHK)の第13話が10月17日に放送され、女優・鈴木杏が演じる本草学者・平賀源内の最期にSNSでは悲しみの声が寄せられている。
今作は、漫画家・よしながふみの同名人気漫画が原作。三代将軍・徳川家光から幕末・大政奉還までの時代に至る男女が逆転した“江戸のパラレルワールド”を描き、今年1月から放送された「シーズン1」ではセンセーションを巻き起こした注目作である。「シーズン2」では、8代将軍・吉宗の意思を継ぐ若き蘭方医たちが、謎の疫病「赤面疱瘡」撲滅に挑む姿を描く。
第12話で武女(佐藤江梨子)が金を渡した狼藉者に襲われ、青沼(村雨辰剛)に梅毒に感染していると告げられた源内。第13話の冒頭では、みずからの病を知り慟哭。しかし、赤面疱瘡の治療法を「人痘接種」と命名して、赤面疱瘡撲滅のために残りの命を賭けて奔走する姿が描かれる。
しかし「天明の大地震」が起き、浅間山も大噴火。米の値段の高騰に民の怒りは田沼意次(松下奈緒)に向かい老中を解任され、青沼も死罪と処せられる。その頃、梅毒の病に臥せっていた源内のもとを青沼の補佐役・黒木(玉置玲央)が訪れる。
すでに視力を失っていた源内だが、黒木だと気が付き「人痘接種」が成功したと勘違い。「それで今度、田沼様は市中に“人痘所”を作って、黒木さんはそこの頭か何かに収まった」「みんなに会いたいなぁ。青沼さん、会いたいな」と最後の力を振り絞って話す源内の姿に、SNSには「鈴木杏さんの源内が本当によかった。冒頭のシーン、源内の行き場のない気持ちがズドンと飛んできた」「心構えはしていたのに、もう号泣。ボロ泣き」などのコメントが寄せられている。
「鈴木は今作に参加するにあたって『大奥という壮大な作品に参加できること、また“平賀源内”を生きることができる光栄に、震えています』とコメント。かっこよくて、チャーミングで知的で、ひょうきんな天才であり奇才でもある多面的な平賀源内の魅力を、鈴木は見事に演じ切ってみせました」(テレビ誌記者)
鈴木は、蜷川幸雄演出作品に数多く出演。2021年には読売演劇大賞及び、最優秀女優賞を受賞する実力派俳優。今作での演技力が高く評価され、さらに活躍する姿を見てみたいものだ。
(窪田史朗)